更新日:2012年07月10日 09:58
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【北方領土】色丹島に残る最後の日本建造物

北方領土 先日、ロシア前大統領・メドベージェフ首相と複数の大臣が北方領土の国後島を電撃訪問した。首相は国後島の地元住民に対し、「領土は一寸たりとも渡さない」と述べ、日本側を牽制。さらに住宅建設現場で日本製防寒パネルが使われていることに「どうして日本製を使うのか」とキレたり、水産加工業社の社長に「我々には我々の土地があり、そこで自分たちの魚を取りましょう」と日本側を挑発する発言が相次いだ。  現在、日本人はいわゆる北方四島交流(ビザなし交流)を除き、実質的にロシア経由でしか上陸できないことになっている。外務省はロシア経由での上陸に関して「渡航自粛要請」を行なっており、簡単に旅行することはできない。  北方四島の現在の姿に関しては、主にロシア人が撮影した写真や映像でしか確認する方法がないが、実は今でも日本時代の建造物がわずかながら残っているという。2012年現在、色丹島で唯一残っている日本時代の建造物がこの灯台だ。  ロシアのサイトによると、この色丹島灯台は1938年~1943年にかけて建設されたという。高さは18mで、馬や徒歩で島内を移動する日本人の目印だったという。冬季はスキーでしかこの灯台へ行く事ができなかったとも紹介されている。ロシア側は何度がこの灯台を修理しているが、現在でもほぼ建設当時の姿を留めているという。 【画像】はコチラ⇒https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=246933  1978年からここに住み、この灯台の管理人になって6年のビクトルは、「戦後、日本人はこの灯台に来たことはない」と言う。冬季に雪を溶かして真水を貯めこむことができたり、内部のいくつかの部屋が迷路のような構造になっていたり、ロシアの灯台とは構造がまったく異なるとか。  ビクトルの趣味は、土を掘り返して日本人が残していった皿や茶碗、ボトルなどの遺品を収集すること。中には詩の書いてある茶碗もあったという。彼の夢は、いつの日か日本刀を掘り起こすことだという。 【画像】はコチラ⇒https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=246941  灯台のある岬の周辺住民の多くは、カニ漁で生計を立てているという。のどかな風景が広がるが、一刻も早く日本人が自由にこの島を観光できるようにしてもらいたいものだ。 <取材・文/日刊SPA!取材班 参照元/photopolygon
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