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有機野菜の安全神話はビジネスと思い込みで成り立っている!

今、時代は空前の野菜ブーム。だが右下の表にあげた「5つの誤解」をはじめ、野菜に対する妄信的な信仰は、逆に毒となることもある。「有機野菜」という言葉にひそむ危険性ほか、オーガニック神話の裏を追った

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 スーパーの野菜売り場には「有機野菜コーナー」が設けられ、レストランや居酒屋にも「オーガニック」メニューが並び、一大ブームの様相を呈している。だがその有機野菜にも、ものによっては危険が潜んでいることをご存じだろうか。

「有機野菜=無農薬と思っている人は多いが、実は、農水省の『有機JAS認定』では31種類の農薬の使用を許可しています。つまり、特定の農薬なら31種類使ってもいい。’08年のOECD(経済協力開発機構)の発表によれば、日本の農薬使用量は世界第2位と、日本の野菜は農薬まみれなのです。それでも消費者の有機野菜への”安全信仰”は根強く、ブランド価値があるのでしょう」

 無農薬・無肥料で育てる「自然栽培」と有機栽培の野菜や米を販売するナチュラル・ハーモニー代表の河名秀郎氏が語った。

 さらに、危険なのは農薬だけではない。驚くことに、有機野菜であっても、肥料の質と量によっては、発がんリスクが高いとされる物質が多く含まれるというのだ。

有機野菜にも発がん性物質!?

「そもそも野菜には硝酸性窒素が含まれ、これを大量に摂取すると体内で発がん性物質を生成するといわれています。EUやWHO(世界保健機関)は、野菜における含有量の基準を設けていますが、日本はこの基準さえなく、野放しなのが現状です……。この硝酸性窒素は大量に窒素肥料を使用した野菜に多く含まれる傾向がありますが、では、有機肥料なら大丈夫といえばそうともいえない。家畜の糞尿を発酵させてつくられる堆肥など、動物性の有機肥料にも窒素成分は含まれ、その量は有機農業が根付き始めた25年前に比べると、大幅に増えています。さらに家畜に抗生物質が大量に与えられ、エサも輸入飼料となった現在では、質も低下していると言わざるをえません。つまり以前に比べると、明らかに肥料の質と量が変わっている。その結果、病虫害の被害も増え、認定農薬を使う確率が高くなっているのでは? 今の有機野菜は玉石混交。店頭で、農薬使用の有無がわからないのも問題だと思います」

 ’01年、スペインで離乳食に野菜を食べた赤ん坊7人が、顔を真っ青にして酸欠状態に陥った――。「ブルーベビー症候群」と名づけられたこの疾病の原因も、硝酸性窒素にあるとされている。

「窒素肥料は、戦後の鉄鋼産業の裏で作り出された副産物を再利用したものが広く使われるようになりました。そして時代は流れ、日本人の食肉消費量の増加に連れて畜産業が盛んになり、今度は家畜の糞尿を再利用する形で有機肥料が広まることになりました。日本の農業は産業界の都合で、安全性が疑わしいにもかかわらず、”肥料漬け”にされてきたのです」

 ブームは加熱し、街中でも「有機」、「無農薬」の野菜や果物の路上販売をよく見かける。ある農業関係者は、こう怒りを露わにした。

「法改正で、認証審査をパスしなければ『有機』と表示できないのに、この認証を受けずに『有機』、『無農薬』と勝手に謳う業者は後を絶たない。そもそも、現在のJAS(日本農林規格)には、『無農薬』や『オーガニック』などという規格は存在しません。これらの表示自体、違法なんです」

河名秀郎氏
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’58年生まれ。自然栽培農家での研修などを経て、’86年に無農薬の野菜を販売する「ナチュラル・ハーモニー」を設立。新著『野菜の裏側』(東洋経済新報社、1400円)が発売中

― 有機野菜の危険な裏事情【1】 ―

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