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「現場で働きたい」と大工の道を選んだ京都大学大学院生

「現場で働きたい」と大工の道を選んだ京都大学大学院生

就職時から他人と競わない生き方を選び、奮闘中の渡邉徹さん(31歳)。京大大学院土木工学専攻時代、「大工」でネット検索して見つけて入社したのが、平成建設(静岡県沼津市)だった。年収は現在、約500万円。

「ゼネコンは大卒入社だと営業か管理部門に回され、建設現場には行けない。でも自分は体を動かして働くのが好きだし、顔の見えるお客さんのために家を作るほうが、やりがいがあると思ったんです」

京大修士1年のとき、同級生は自分の興味とは無関係に、ゼミ担当教官の推薦枠を競って進路を選択していった。

「人生の大半をその仕事に費やすわけですから、最初から限定された中からしか選べないって不自由ですよね。大企業の行く末だってわからない世の中なのに……」

 大工は、建物の内外装を手掛ける専門大工と、基礎工事を中心に、ショベルカーからCAD(コンピュータによる製図作業)までが使える多能工に分けられる。渡邉さんは多能工として入社後、一人前の職人をめざして成長してきた。何より雄弁なのが、金槌ダコなどが目立つ彼の黒い手だ。

「それぞれの建材の質感を素手で感じないと、仕事をした気がしないんです。最近少し分厚くなり、職人の手っぽくなってきましたね」

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平成建設には渡邉さん以外にも、早大大学院や東工大、東北大
などを卒業した男女が、大工になりたいと相次いで入社している


― [競わない生き方]のススメ【5】 ―




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