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T-ARAイジメ騒動にみる韓国ネット世論の暴風

T-ARA

加入者が30万人を超えたSNS「ティジンヨ(T-ARAに真実を要求します)」

 ファヨンの契約解約の裏にメンバー間の不仲、イジメ説が囁かれている韓国のガールズグループ・T‐ARA(ティアラ)。韓国国内での反響は大きく、訪問者数が400万人を超える韓国最大のコミュニティサイト「T‐ARAドットコム」は閉鎖を決定。30日に開設されたSNS「ティジンヨ(T‐ARAに真実を要求します)」の加入者は30万人を超え、現在も増え続けている。日本での単独ツアーを成功させた直後、なぜ解散要求まで出るような騒動に発展したのか。まずは、今回の経緯を簡単に整理したい。

●ファヨンはMBC「ショー 音楽中心」の事前収録中に足首をひねる怪我を負う。それにより、7月25日、26日の武道館公演には松葉杖姿で登場。

●28日 SBS「人気歌謡」の事前収録をファヨンがドタキャン(したと後日、事務所のコア・コンテンツ・メディアのキム・グァンス代表が発表)。

●収録後、「ポジションが人を作るように、意志が人を作るのに残念だ」というウンジョンのツイートにリツイートする形で、「意志の差。分別をつけ常に謙虚に。演技の天才に拍手」(ジヨン)、「意志・礼儀・配慮の差」(ソヨン)などと各メンバーが怪我をしたファヨンを非難するかのようなツイートを残す。それに対してファヨンが「時には意志だけで無理な時がある。こうするときは心が痛むがいい意味が込められたと信じる」とツイート。この一連の流れで、「メンバーがファヨンを集団で仲間はずれにしている」と、以前から囁かれていた“ファヨンいじめ説”に拍車がかかる。

●事務所が「30日、T‐ARAについて重大発表がある」と発表し注目を集める。

●30日 事務所がファヨンの契約解除を発表。その理由を「(ファヨンの)自己管理の不足、度重なるプロ意識の欠如」とした。

 この発表に対して、ネット世論は「弱者(イジメ被害者であるファヨン)を一方的に切り捨てた。残酷な処置だ」と反応。件のコミュニティサイトの閉鎖、解散要求へと炎上した。

 韓国芸能事情に詳しい『韓流エンタメ日本侵攻戦略』の著者・小野田衛氏は、今回の騒動について次のように語る。

「まず、ツイッター上でメンバーがこのような発言をしてしまうこと自体、T‐ARAらしいともいえます。大手事務所に所属するアイドルの多くは、ツイッターやme2day(韓国で流行中のブログ)での発言はもちろん、バラエティ番組の発言に至るまでスタッフの管理が徹底されています。このため、迂闊な発言が表に出ることは極めて少ないんです。T‐ARAは以前にも、『睡眠時間が少なすぎる』などとテレビ画面越しに訴えたり、歌番組の放映中、あからさまに脱力したパフォーマンスで『疲れを顔に出すな』とファンから非難されることも多々ありますからね。良くいえば親しみやすい、悪くいえば脇が甘いグループなんです」

 ツイッターという公の場であるにも関わらず、「思ったことをそのまま口にする」のでは、タレントとして幼稚といえる。また、事実関係は別にして、世間が“イジメ問題”で揺れているときに、イジメの被害者とされるファヨンを解雇するという事務所の対応も、未熟だといわざるを得ない。そのことからファンの中には、「本当に深刻なイジメがあったのであれば、炎上するとわかりきっているタイミングで解雇することはないだろう」と、逆説的に推測する人もいる。

 しかし、依然として真相はヤブの中……のはずだが、ネット世論、韓国メディアのニュースサイトを覗くと、“イジメは事実としてあった”という説が強い。

 なぜそんなことが起こるのか? そこには韓国のネット社会特有の問題があった。

⇒【後編】に続くhttp://nikkan-spa.jp/267665

※参考文献
韓流エンタメ日本侵攻戦略』(小野田 衛・著 扶桑社新書 本体720円+税)
日本の若者たちはなぜK-POPに熱狂するのか?日本人が知らない韓流ビジネスの正体、韓国芸能界の裏側を徹底した現地取材をもとに考察

<取材・文/スギナミ>

韓流エンタメ 日本侵攻戦略

韓流エンタメの真実




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