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欲望のるつぼ、ブランド物“ファミリーセール”に潜入してみた

欲望溢れるスポットを、訪ねてみた! 話題のパワースポット、海外ブランドのファミリーセールに 自己啓発セミナーなど、各地にダダ漏れする欲望をウォッチ! 【ブランド物が欲し~!】
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 わかりやすい女性の欲望が物欲。加えて高級ブランド品は自己顕示欲をも刺激する女子の大好物だ。そして、こればかりは神様にすがらずとも、カネ次第。  そんなブランド品が、ワンシーズン前のものとはいえ、格安で放出される”ファミリーセール”は、まさに、欲望のるつぼ! と、某欧州ブランドグループのファミリーセール会場に潜入した。  平日の午前10時すぎ。まだお客は多くない。細身のスーツに身を包んだビジネスマンが優雅にネクタイを手に取る傍らで、ストールが積まれているワゴンには早々に人だかり。皆、透明のショップ袋に1万数千円のストールを色も柄も確認せず、詰め込んでいる。  全部買うのか? という疑問は氷解。鏡の前で、かき集めた商品を広げて一人ファッションショーを展開している女性があちらこちらに。鏡を使いたいな……と様子を窺う女性も見えないふりの厚顔っぷりである。  改めて会場をうろつくと、ロゴ入りカバン売り場で目撃したのは、「これ、どうしようかしら。ちょっと小さいかしらねえ」と迷う30代と思しき女性の脇から、「買わないなら、頂いていいかしら?」と奪っていく年配女性。唖然とする女性。しかし、そんな光景もここでは当たり前。よくよく見ると、誰かが持っている商品を遠くから眺め、虎視眈々と機を窺う人々が、そこらじゅうにいるのである。  入り口付近では、転売目的の来場だろうか。数人の若い男性に「2万?」などと言いながら指示を出し、カバンやストールをぎっしり詰めたショップ袋の番をして佇む場違いな男性も目撃された。  そのほか、「パパのカードを使うと、明細が出るのよね?」と支払いの心配を語り合うマダム。 「30万円のカバンを持つとモチベーションが上がるわよ」と迷う母親に一押しする娘。スウェット姿で通路に座り込み、キープした商品を広げて物色する外国人と思しき一群。その光景を見ていると思い出されるのは「欲の頂なし」の格言。まさに足るを知らない人の煩悩がそこにあったのである。 イラスト/加藤 豪 ― [強欲すぎる願掛け]に唖然!【5】 ―
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