【ブラック飲食店】従業員のモラルも酷かった
デフレの波に揉まれ、低賃金・過剰労働・サービス過多が蔓延る外食産業。そこは、労働環境はむろん、従業員も客もド底辺という凄まじい魔境になっていた!
◆ 「喜んでー!」と客に出すのはフケ入りドリンク
劣悪な労働環境で従業員は苦しむばかりかと思いきや、とんでもない“ド底辺店員”を抱える飲食店も少なくなかった。某激安居酒屋の元バイトの鈴木優さん(仮名・30歳)は裏側を知って以来、二度と激安店には近寄らなくなったという。
「食器の洗い方がいい加減で、グラスに口紅がこびりついたままなんてのはザラ。効率を重視するあまり、裏では平気で空揚げや肉じゃがなどの上に伝票を直接置いていました」
また、某ファミレスの元店員・宮野楓さん(仮名・25歳)に至ってはこのザマである。
「深夜は上司のチェックも甘いから、やりたい放題でしたね。2年間働いていて、総額いくら分つまみ食いしたかわからない。店のおかずを勝手にタッパーに詰めてお弁当を作ったり、客の忘れ物をパクったり。『デジカメ落ちてませんでした?』とか電話が来ても、『いや~、ないっすね』としらばっくれて自分のものにしてました(笑)。あと、客に出す肉団子をレンジで加熱しすぎてカラッカラのビー玉みたいになったことがありましたが、それもそのまま出しましたね」
罪悪感はないのかと問うと、こんな答えが返ってきた。
「だって、深夜バイトはみんなが寝てる時間に起きて働いてあげてるんですよ? 選ばれし者の崇高な職業ですよね。だから、感謝してもらって当然! たまに高圧的な態度の客が来るんですが、そういうヤツには罰として、ドリンクや料理にフケを入れて出してました(笑)」
過去にフケ入りドリンクを飲んでしまった見ず知らずのお客さんに、合掌……。
取材/大貫未来(清談社) 取材・文/朝井麻由美
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