雑学

陳情される側のホンネ「断るのも上手にやらないと、『そんなこともできんのか』と」

[陳情される側]のホンネとタテマエ
陳情される側の議員や秘書に話を聞いた。現職の方はなかなか言えないこともあるようだけど、元職の方からは、なるほど納得な”ぶっちゃけトーク”も飛び出して……

◆断るのも上手にやらないと、「そんなこともできんのか」と

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 ’05年10月の川崎市議補選で自民党から出馬し、見事当選を果たした山内和彦氏。その選挙戦の模様を追ったドキュメント映画『選挙』は海外でも話題を呼んだ。

「映画の中で、近所の酒屋のお母さんに『店の前の側溝が溢れて困る』と言われるシーンがあるんですよ。でも、役所に折衝しても予算のことを言われて、僕の在任中には進まなかった。ところが、僕が任期満了でやめたあとに映画が公開されたら、役所の人が見てたのか、すぐに直してくれて(笑)

 が、実は1年半の在任期間中、山内氏への陳情らしい陳情は、ほとんどなかったという。

「僕は公募による落下傘候補の新人でしたからね。でも、ベテランの先生のところにはものすごい量が来てましたよ。なかには就職の世話とか交通違反のもみ消しみたいな利己的なものもあるんですが、断るのも上手にやらないと、『何だ、そんなこともできないのか!』と言う人もいるんで大変です

 とはいえ、党として受けた陳情を割り振られることもある。

「年に1回、各業界団体からまとめて話を聞くヒアリングみたいなのがあるんですけど、ベテランの先生は自分の票に関係ないものは若手にやらせる感じで。あと、住民運動的な陳情は皆、首突っ込みたがらないですね。うまくいかなかったら責任問われるし、あんまり票にもつながらないし」って、結局、票になるかどうかですか!?

「それはあります。自分の票に直結する地元の有力者や支援団体に関することは必死でやりますんで。そのへんはハッキリしてるなあ、と。でも、素朴な市民の不便とかを陳情にしてくれれば、役所に折衝もしやすいし、最終的に自分の実績になれば議員にとってはありがたいというのもありますね。たとえば『バス停に屋根をつけてほしい』ぐらいなら予算的にもそう大きくないし、議員に言ってみると何とかなりそうなことって結構ある。よほどひどい人でなければ邪険に扱ったりはしないし、議員を上手に使ってほしいですね」

山内和彦氏
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’65年生まれ。著書『自民党で選挙と議員をやりました』(角川SSC新書)。

イラスト/カネシゲタカシ
― 「陳情したらこうなった!」(驚)報告【8】 ―

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