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「警官を殴った」ことにすれば釈放? 冤罪恐怖とは

駐禁を取り締まる警察官にからまれて公務執行妨害&傷害罪に

築地傷害事件
’07年10月11日午前8時頃。神楽坂で20年以上寿司屋を営む二本松進さん(当時59歳)が、仕入れに行った築地の路上で女性警官に対して公務執行妨害のうえ傷害を負わせたというもの。二本松さんは駆けつけた警察官により逮捕され、19日間勾留されたのち「起訴猶予」となって釈放された。しかし二本松さんは「自分は女性警官に『そこをどいてくれませんか』と言っただけで、事件はでっち上げ」と、警察と検察に対して賠償を求める裁判を起こした。

「その日もいつもと同じように、朝7時頃、女房の運転する車で築地に仕入れに行ったんです」

 数年前に目の手術をして以来、車は運転していないという二本松さん。築地市場前の道路に止めた車に戻り、買った枝豆を助手席に放り込むと、運転席の奥さんに「車を前に出して」と言った。ふと前を見るとそこに女性警官が2人立っていた。

「『ちょっとどいてください。すぐに発車します』と声をかけました。すると女性警官が『ここは法定禁止エリアだ』と言ってきたんです」

 奥さんが運転席にいて、車はすぐ運転できる状態だった。

「女性警官に『向こうの放置車両はお咎めなしで、運転手がいる車を取り締まるなんておかしい。意地悪はやめてよ』と言ったんです。すると女性警官は『法定禁止エリアだ』と繰り返すんですよ」

 女性警官はカバンの中から青い切符の束を取り出すと、トランクにたたきつけ、「免許証を出せ!」と迫った。

「『私は運転手じゃないし、道交法に違反してない人間に切符切るなんておかしいよ』と車の中に入ろうとしたら、女性警官がドアを押して入れさせないんですよ。閉めようとしたら、警官の左手がドアにちょっと触った感じで、左手を上にあげたんです。そして無線で『暴行、暴行』って。そしてすぐにパトカーが5~6台来ました」

 二本松さんは駆けつけた警察官に後ろ手にされ、手錠をかけられて逮捕された。容疑は「公務執行妨害」と「傷害」だった。警察によると「免許証の提示を求められるや『後ろにトラックが止まっている。差別するな』等と怒号し、巡査の胸を7~8回突くなどの暴行を加え、運転席のドアを閉めるなどし(触れたのは左手のはずが)右手にドアを強くぶつけるなどして、職務執行を妨害し」「全治10日間の右手間節打撲の傷害を負わせた」ことになっている。

「警官を殴った」ことにすれば釈放?

 警察は、二本松さんが「左右の肘で交互に胸付近を突いた」とも主張する。しかし、二本松さんは「私は六十肩で、肘も上がらないんですよ」と言う。

 その後の取り調べは、警察に都合のいい自白を求めるものだった。

「『警察官をぶん殴ってごめんなさいって言えば一日で出られる』と言われ、夜まで取り調べられました。最終的には『暴行はなく、警察官の自傷だった』と言われ、さらに『(公務執行妨害とするために)警官の黒カバンに触れたことだけは認めろ。認めないのなら起訴する』と言われました」
そして二本松さんは供述書にサインした当日(19日目)、起訴猶予で釈放される。しかし「やはり逮捕には納得いかない」と、’09年10月、東京都と国に対して925万円の損害賠償を求めて裁判を起こした。二本松さんは「警察官が嘘をついて不当逮捕・勾留したことを、とにかく謝ってもらいたい」と語っている。

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事件と同じ時間帯(午前8時頃)の築地市場前の道路に立つ二本松さん。
多くの自動車が路上駐車している


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