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習近平政権が発足すると「中国の非モテは生きづらくなる」!?

中国,習近平 11月8日からスタートする中国共産党大会で、いよいよ次期指導者が指名される。すでに内定しているのはご存じ、習近平副主席だが、新政権の発足で、人民たちは一体どんな影響を受けるのか。今回は、ニッチな証言を集めてみた。  まず、新政権発足で「恋愛格差が広がる」と危惧するのは、大連在住の留学生・町田浩太さん(仮名・28歳)だ。 「資産家や党幹部2世を指す『富二代』や『官二代』は世間からバッシングされてきた。しかし、そんな風潮に逆行して党高官の2世、3世からなる『太子党』の習近平がトップになる。下流層を中心に、階級の固定化に繫がるという絶望感が広がっています。資産もなく、家柄もよくない家に生まれた中国人の友人は、『女に相手にされなくなる』と嘆いていますよ」  ならば、せめて風俗店では擬似恋愛を求めたい。が、広東省東莞市在住のメーカー勤務・高島功夫さん(仮名・36歳)の話を聞くと、それも難しくなるかもしれない。 「胡錦濤が属する『団派(共産主義青年団出身)』と、派閥争いをしてきた習近平は、就任後に団派の粛清を本格化するといわれている。旧政権下で地方高官と癒着していた風俗店は一掃されるでしょう。賄賂をもらって脱税を見逃してきた税務局の役人も同じ構図で一掃される。これには戦々恐々としている日系企業も多い」  重慶市在住の自営業・砂川孝昌さん(仮名・36歳)も、日系企業への影響についてこう話す。 「習近平は9月の反日デモの“黒幕”といわれているように民衆扇動に長けている。今後も内政が行き詰まった際、反日カードを繰り出してくるリスクがある。こちらでビジネスをしている日本人にとっては気が休まりませんよ」  しかし、人民にとってはいいこともある。トラブル孫悟空の愛称でもおなじみのジャーナリスト・周来友氏はこんな期待を寄せる。 「習近平は熱狂的なサッカーファン。今まで何度も国内サッカーの育成に力を入れていくことを公言しており、特別な予算が組まれるはず。中国がワールドカップで優勝する日も遠くないはず」  さらに意外なところでは、新政権の発足が、ある伝統的食文化の復権の追い風になるらしい。広東省中山市の自営業・成瀬俊児さん(仮名・35歳)の話。 「習近平の父・習仲勲の出身地である陝西省は、伝統的に犬肉食が盛んです。昨年、省内で行われた美食イベントで1万5000頭の犬が用意され、海外メディアからバッシングを浴びたほど。最近では中国でも動物愛護の観点から、犬肉に対する風当たりは厳しい。そんななか、犬肉が大好物な友人は、『犬肉文化圏で育った習近平がトップになれば、犬肉食で肩身の狭い思いをしなくてもすむ』と冗談交じりに言ってました(笑)」  不安と期待が入り乱れる新政権だが、『歌舞伎町案内人』でおなじみの作家・李小牧氏はこう話す。 「トップが代われば、さまざまな変化はあって当然。頭の回転が速く、度胸も据わっている習近平は政治家としては胡錦濤より格上。ただ『政策は中南海から出ない』と揶揄されている中国では、本当に人民が恩恵を得られる政策が浸透するかどうか疑問です」  政権交代で、この国は果たして生まれ変わることはできるのか。  中国の景気は減退期なだけに、就任早々から厳しい舵取りになりそうだ <取材・文/奥窪優木> 週刊SPA!連載 【中華人民毒報】 行くのはコワいけど覗き見したい――驚愕情報を現地から即出し
1980年、愛媛県生まれ。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国に渡り、医療や知的財産権関連の社会問題を中心に現地取材を行う。2008年に帰国後は、週刊誌や月刊誌などに寄稿しながら、「国家の政策や国際的事象が末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに地道な取材活動を行っている。2016年に他に先駆けて『週刊SPA!』誌上で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論の対象となり、健康保険法等の改正につながった。著書に『中国「猛毒食品」に殺される』(扶桑社刊)など。最新刊『ルポ 新型コロナ詐欺 ~経済対策200兆円に巣食う正体~』(扶桑社刊)発売

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