Kindle・kobo・ニコニコ、3ストアの特徴と課題
―[電子書籍3ストア比較]―
注目の電子書籍ストア、Kindleストア、koboイーブックストア、ニコニコ静画(電子書籍)。3ストアの特徴とこれからの課題をストアごとに紹介する。
⇒比較表はコチラ(https://nikkan-spa.jp/319904)
◆ Kindleストア
Kindleストアの特長は、無料本の充実、ランキングの見やすさ、紙版と合わせた検索のしやすさ、価格の安さだ。3ストアで取り扱いのある人気コミック『テルマエ・ロマエ』1巻は、215円(定価714円・70%OFF)と、他ストアより大幅な値下げでランキング1位をオープン時から継続中だ。ちなみに、koboは429円、ニコニコは450円(ポイント)となっている。他にも、一般書籍でも大幅な割引率の作品も多い。紙版と同価格の作品には、「出版社により設定された価格です」という表示があり、価格決定権を出版社側が握っている場合も多いようだ。この表示がない作品についても、紙版の価格と比べて何%オフか確認できるので、電子書籍版のお得度が実感できる。
古典文学は、Amazonトップページから検索すると、Kindle版と紙版が一画面に並んで表示される。扱いに差がないのだ。たとえば、太宰治の『人間失格』を検索すると、漫画家の小畑健が表紙イラストを手がけた文庫版(270円・Kindle版256円)などと並んで0円のKindle版が表示される。検索結果には、Kindle版があっても文庫版の価格が表示される点にも注目だ。もちろん文庫版には解説がついている点など、違いはあるものの、大量に読書をしようと思った場合、多くのユーザーが0円で読める方をクリックするのではないだろうか。今後、古典文学の文庫版の売上への影響に注目したい。
さらに、紙版のストアと扱いが並列であるだけでなく、Kindle版がない作品については「Kindle化リクエスト」ボタンが設置されており、リクエストを送ることも可能だ。たとえば、人気で即完売となり在庫切れになった雑誌、絶版となったマンガ、1990年代に発売されてプレミア価格がついている作品などがほしいと思った場合にリクエストを送れば、Amazonから発行者へと伝えられるようになっている。リクエストが多ければKindle化もあり得るのではないだろうか。
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