雑学

タクシー車内で薬物販売!? ベテランドライバーの体験談

見ず知らずの人を乗せ、車という密閉空間で時間を共にするタクシードライバー。車内という閉ざされた空間は、たった数分であっても様々なドラマを引き起こすという。今回はそんなタクシードライバーの方々が実際に遭遇した悲喜交々の四方山話を集めてみた

◆非常識な迷惑客たち【後編】

⇒【前編】はこちら http://nikkan-spa.jp/339824

 とんでもない事件に巻き込まれることもあるという。40代のドライバーの体験談を紹介しよう。

「大久保に行ってくれって言われて大久保まで乗せたんですよ。そしたら、電話で話し始めて『大久保の●●前で友達拾うから』って言われたんです。そこに着くとまた電話で乗ってる車のことを説明したら、男の方が乗ってきたんです。それで、今度は新宿の駅に行ってくれって言われて発車したんだけど、友達っていうのに会話もぎこちないし、なんか後ろでお金出して渡したりしてゴチャゴチャやってるんですよ。それで新宿駅に着いたら、大久保から乗ってきた方が降りて、今度は渋谷に行ってくれって言うんです。また電話で話し始めて、また『渋谷の●●で知り合い拾ってくれ』って言うんですよ」(50代・男性ドライバー)

 このドライバーはこうした指示通りに都内を3時間ほど走らされたという。

「段々と怖くなってきて、チラッと見たら、明らかに現金と何かをやり取りしてるんですよ。あれは絶対に薬物ですね。ビニール袋がチラッと見えましたし、拾う客、拾う客、みんなおかしいのばっかなんですよ」

 なんと、タクシーの車内を使った薬物の密売が行われていたと言うのだ。筆者も以前、薬物関連の取材をした際に密売人から「検問があっても、タクシーの客はそうそう検査されない。ネタを持ってるときは絶対にタクシー。買った客にも帰りはタクシーに乗ることを勧めている」と聞いたことがある。だが、堂々と車内で密売をするとは……。

 迷惑な酔客の話は枚挙に暇がない。酔っ払いのわがままに付き合った結果、とんでもないことになった話もある。

「かなり泥酔した方をお乗せしたときのことですが、何度道を聞いても『甲州街道を真っ直ぐ』としか言わない。ある程度走ったところで道を聞いても『まだ真っ直ぐだ』の一点張り。東京を抜けて、山梨に入っても『まだ真っ直ぐ!』って今度はグーグー寝始めちゃったんです。さすがにおかしいでしょう。そして甲府まで来て、こりゃちょっとヤバいと思って交番に寄ったんです。それで起こされ、甲府まで来たことを教えられた瞬間にいきなり怒り始めたんですよ。『いくら真っ直ぐでもこんなに行くのはお前が悪い』って。そしたらおまわりさんも『運転手さん、やりすぎだよ』って、私が悪者ですよ」(50代・男性ドライバー)

 だが、ここで思わぬ隠し球が登場する。なんと、彼はこのように「言った、言わない」で揉めた経験から、運転中は会話を録音するようにしていたのである。

「頭にきてレコーダーに録音された会話を全て聞かせてやったんですよ。そしたら、今度はおまわりさんがお客さんを叱り始めたんです」

 さらにこの話には笑えないオチがある。

「話を聞くと、なんとその方は某酒造メーカーの方だったんですよ。おまわりさんと二人で『どんな酒飲んだら、ここまで酔っ払うんだ!』って。結局、そのままご自宅までお乗せして、運賃とお詫びで15万円いただきました」

 それでは最後に、そのほかの四方山話を紹介していこう。

「新潟のクラブの方から頼まれて、成田に到着するロシアンパブで働くロパブ嬢たちを乗せたことが何度かあるんだけど、あれは運賃以上にイイしごとだったなぁ~。みんなすっごい美人だったしね」(50代・男性ドライバー)

「免停ギリギリの点数だったときに、一旦停止無視で白バイに止められたんだ。でも、そこで免停になって休職したら、女房と子どもにメシを食わせらんねぇ!って思ったの。それで、無我夢中になって売り上げの箱からありったけのカネを掴んで白バイの兄ちゃんに握らせて『あんたも人の子だったらわかるだろ!』って絶叫したら、見逃してくれたことがあります」(50代・男性ドライバー)

「たまたま乗せたヤクザの人と妙に話が盛り上がってしまい、『ウチ来ない?』って言われたときはちょっと怖かった」(40代・男性ドライバー)

手マンとか全部見えてるから、ヤメてくださいね」(40代・男性ドライバー)

 そして最後に業界ではまだまだ珍しい女性ドライバーから一言。

「たまに口説かれます。でも、セクハラも多いですよ(苦笑)」(50代・女性ドライバー)

 これからの季節、忘年会だの新年会だと、酔ってタクシーに乗ることも増えるはずだ。決して、ドライバーにむちゃなことなど言わないように! また、タクシーのドライバーはネタの宝庫。たまには耳を傾けてみるのもいいのかもしれない。<取材・文/テポドン(本誌)>

― 本当にあったタクシー・ドライバーの話【3】 ―




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