苦笑!新聞記者の余計なダジャレ、トンチ集
「むしゃくしゃしてやった」「ムラムラしてやった」など、事件報道には日常ではあまり使わない特有のフレーズがある。ほかにも「バールのようなもの」とか「みだらな行為」とか、気になる言い回しがいろいろ。そんな事件報道における定番用語のナゾに迫る!
◆何でわざわざこんなことを書く!? この記事がビミョー!
まずは「警備員 妻呼び食料盗ませる」(’09年4月17日付毎日新聞)って記事。生活苦から自分が夜間警備をしているスーパーに妻を呼び、2人で卵や納豆、ハムなどの食料品70点を盗んだ。
で、記事にいわく「自分たちが食べるつもりで盗んだとみられ、最高額の商品は『ウナギのかば焼き』(1580円)だった」って、そのプチ情報は必要?
この手の“よけいな一言”というのは結構あって、「コンセント拝借 窓から半身」(https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=380860)の記事もそう。他人の家の窓から身を乗り出し、持参の炊飯器の電気コードをコンセントに差した男が住居侵入未遂容疑で逮捕された。男は自宅の電気を止められており、「腹が減ったので米を炊きたかった」と供述。記事は「炊飯器のスイッチの調子が悪かったのか、肝心の米は炊けていなかったという」と締められているのだが、これって完全におちょくってるよね。
文科省職員が盗撮容疑で逮捕された事件では「女性はコートの下にショートパンツをはいており、下着は盗撮されなかった」(’11年3月8日付産経新聞)なんてのも。だからって盗撮の罪を免れるわけじゃあるまいに。
わいせつDVD販売業者が捕まった事件では、「約2億4千万円を売り上げていた」と巨額の利益を強調。一方で「最近、従来のDVDの約10倍の値段で、『飛び出す美少女』などとうたって3DのわいせつDVDの販売を始めたが、一枚も売れていないとみられる」(’12年1月31日付朝日新聞)って、大きなお世話だっつーの。
◆ 「女性をかたどった精巧な人形」って!?
妙に奥歯にモノの挟まったような記事もある。「『遺体』発見→2時間鑑識→実は人形」(’08年9月2日付朝日新聞)は、伊豆の山林で発見された「遺体らしきもの」をめぐる騒動。2時間の現場検証後、ひもで縛られた寝袋から出てきたのは「精巧な人形」で「女性をかたどった人形は身長約170センチでシリコーン製」って、それラブドールじゃん! でも、「精巧な人形」としか書けないのね。
ダジャレ見出しはよくあるが、やりすぎ感満載なのが「お坊さん、ボーズに突っ込んだありがたくない開帳」(https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=380859)の記事。住職の交通事故と公然わいせつ事件を並べて「ボーズに突っ込んだ」「ありがたくない開帳」ときたもんだ。前者は一見意味不明だが、実は突っ込んだ飲食店が「タコボーズ」という店名。つか、従業員が重傷負ってるのにこの扱い、ちょっとふざけすぎじゃない?
― 事件報道の[ありがち用語]ウラ読み辞典【9】 ―
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