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漁師を小馬鹿にする素人密猟者の呆れた手口

 昨今、海や川での密漁行為が増加している。密漁といえば、暴力団の資金源のように、組織的な犯行がとりざたされることが多いが、実は、立ち入り禁止区域に入る不法な釣りや、禁漁とされている魚介類を獲るなど、個人の“素人”による犯行も横行しているのだ。逮捕されるかもしれないリスクを背負ってまで行為を繰り返す、素人密漁者の姿を追った。

<千葉県>
◆「漁師なんてちょろい」潜って海産物を漁る素人密漁者


 釣り以外に、海に潜って魚介類を略奪する素人密漁者も多い。

イメージ「冬でも全然獲ります」と話すのは、都内の会社員・池谷雄二さん(仮名・26歳)だ。海沿いで育った経験から、「潜って獲る楽しさが忘れられなかった」という彼は、今でも月3回ほど、千葉県の外房まで片道3時間かけて行くという。

「友達数人と、水が綺麗な漁港によく行きます。浅瀬から入って周囲のテトラポッドや岩場まで行くと、アワビやサザエ、伊勢エビなどがゴロゴロいるんです。夏は潜りますが、冬は大潮だと岩場がむき出しになるので、歩いて“ポイント”まで行ける。夜にライトで照らすと、伊勢エビの眼が光って、ウジャウジャいますよ。岩場に隠れていても“ヒゲ”が出ているので、引っ張れば簡単に獲れます。獲ろうと思えば無限に獲れますけど、基本的には食べる分だけです」

 もちろん、そこは地元漁協の管理エリアであり、彼の行為は立派な密漁だ。しかし、「漁師にバレないようにしているから大丈夫」と、悪びれる様子もない。

「いかに自然に振る舞えるかです。格好は、カラフルな海パンにクロックス。足ヒレとシュノーケルはセーフですが、酸素ボンベや水中銃はアウト。海パンのポケットは“網代わり”に使うから、ポケットの多いほうがいいですね。あとは潜って獲って陸に戻るのをさりげなく繰り返すだけ。万が一漁師が近づいてきたときには、友達に『大きいカニがいるよ?』と叫びます。海に精通した漁師や密漁者はカニになんて興味を示さないので、漁師さんも『遊びに来た観光客だろ』くらいに思いますから」

 また、獲物の保管にも神経を使っているとか。

「獲物を入れるクーラーボックスは絶対に車内で保管します。密漁パトロールの一環で、中身をチェックされることが結構あるんです。僕は千葉県以外にもたまに行くんですが、静岡県は監視が厳しいですね。逆に千葉県はゆるい。もちろん、危ない目に遭ったこともありますよ。以前、漁師に後ろから肩を叩かれて、『殺すぞ!』と怒鳴られたこともありましたし、そういう場所には刺青だらけの“本職っぽい方”もよくいて、ウエットスーツを着込んで、かなりの本気モードで獲っているんです。『よぉ兄ちゃん、獲れるか?』なんて話しかけられたら、『もう十分獲れたのでどうぞ~』と、すぐに場所を譲りますね。海の男は気性が荒くて怖いですから」

 同じ密漁者同士にも、いろいろと力関係があるようだ。

― 海で!川で![素人密漁者]が大暴れ【3】 ―

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