PERで見れば日本株はすでに割高!?【後編】

衆院選を控えた昨年11月頃に民主党から自民党へ政権が再び交代すると期待されてから、日本株は3か月以上も上昇を続け30%も上がった。さらなる上昇を期待する人が多い日本株だが、まだ上昇余地は残されているのか? ⇒【前編】はコチラ ◆PERで見れば、日本株はすでに割高。アベノミクスのインフレヘッジで新興国株に妙味【後編】(人気ブログ「金融日記」管理人 藤沢数希氏)  PERだが、どの利益を使うのかが問題になる。「実績PER」というのは、直近の決算で発表されている“過去の利益”で株価を割ったものである。しかし、株価を考えるのに必要なのはあくまで“これからの利益”であり、会社やアナリストの今期の予想利益を使って計算したのが「予想PER」である。予想PERのほうが適切なのだが、これは予想データがないと計算できないので、実績PERもよく使われる。  マーケット全体のPERも、すべての会社の利益の総和で時価総額を割れば計算できる。しかし、これには多くの銘柄の財務データが必要であり、実は信頼できる数字を計算するのは簡単ではないのだが、いくつかの代表的な株価指数に関しては無料で公開されているデータがあるので、今回はそれらを参考にしよう。  代表的な6つの指数のPERはそれぞれ下表のようになっていて、日経平均株価もTOPIXも、すでに米国株より割高になっている。PERで見る限り、日本企業の利益は米国の企業の利益よりも“成長しないといけない”ことになる。さらに、中国や韓国、ロシア、ブラジルなど新興国のPERを見るといまだに10倍ちょっとで、日本株よりはるかに低いのだ。無論、新興国のさまざまなリスクを織り込んでのことであろうが、それにしても新興国株は安いと思える。アベノミクスによる財政破綻でインフレが起こるというリスクをヘッジするためにも、MSCI新興国などのインデックス・ファンドに妙味があるように思える。 【今週の数字】 日経平均株価の予想PER 20倍 予想PERで見ると日経平均株価、TOPIXともに20倍程度である。これは、より成長が見込めるはずの新興国に比べると2倍も高く、日本は新興国の2倍も“成長しないといけない”ことになる
PER

世界の株式市場を比べると、日本株は予想PERで20倍程度。これは世界平均の約13倍や、アメリカの約14倍、新興国の約10倍よりかなり高く、PERで見れば日本株はすでに割高である

出所:日経平均株価とTOPIXは日経新聞社のウェブサイト(’13年2月12日) ダウ平均とS&P500種はWSJのウェブサイト(’13年2月12日) MSCI全世界とMSCI新興国はMSCIのウェブサイト(’13年1月31日) 【藤沢数希氏】 欧米の研究機関にて計算科学、理論物理学の分野で博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身。主宰するブログ「金融日記」は月間100万PV、ツイッターのフォロワーは7万人に及ぶ。最新刊『外資系金融の終わり』(ダイヤモンド社)が発売中理論物理学研究者、外資系金融機関を経て、作家。メルマガ「週刊金融日記」は読者数1万人、ツイッターのフォロワーは14万人を超える。最新刊『損する結婚 儲かる離婚』が発売中
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