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【ザックJAPAN】世界最速でW杯予選突破を決めたい理由とは

 2014年夏、ブラジルで開催されるワールドカップの予選が各大陸で行われている。現在、アジアも最終予選の真っ只中。グループA・Bに5カ国づつ分かれ、それぞれ上位2カ国がワールドカップ出場となる(各組3位は5位決定戦を行い、勝者は大陸間プレーオフに進出)。

 3月26日(火)にはグループBでヨルダンvs.日本戦が行われる。首位の日本はヨルダンに勝つと勝点16となり、3位のイラク、4位のオマーンが残り試合を全勝した場合の勝点14を上回るため、2位以内が確定。そうなれば世界最速での出場決定となる。

日本代表イメージ写真◆ワールドカップ アジア最終予選 グループB順位表(2月末時点)

1位 勝点13 日本(5試合/4勝1分/得失点差+11)

2位 勝点 5 オーストラリア(4試合/1勝2分1敗/±0)

3位 勝点 5 イラク(5試合/1勝2分2敗/-1)

4位 勝点 5 オマーン(5試合/1勝2分2敗/-3)

5位 勝点 5 ヨルダン(5試合/1勝1分3敗/-7)

 順位表を見ると事実上、日本のワールドカップ出場は確定的とも言えるが、日本代表にはこの3月にどうしても出場を決定したい事情がある。それは、ワールドカップ本大会への準備だ。この後、日本代表は6月にブラジル、イタリア、メキシコといった世界の強豪とガチで戦う「FIFAコンフェデレーションズカップ」を控えている。

◆日本代表、7月末までの日程

5月30日 キリンチャレンジカップ vs. ブルガリア(豊田)

6月 4日 FIFAワールドカップ アジア最終予選 vs.オーストラリア(埼玉)

6月11日 FIFAワールドカップ アジア最終予選 vs.イラク(アウェイ)

6月15日~30日 FIFAコンフェデレーションズカップ(ブラジル)

6月16日 vs. ブラジル

6月20日 vs. イタリア

6月23日 vs. メキシコ

7月20日~28日 東アジアカップ2013(韓国)

7月21日 vs. 中国

7月25日 vs. 豪州

7月28日 vs. 韓国

 3月で決まらないと、6月前半はワールドカップ出場を懸け全力で戦わなければならないが、ヨルダン戦で出場を決めれば、5月末のブルガリア戦から最終予選2試合を含め、6試合(グループリーグを突破すればさらに2試合)を強化のためにまるまる使うことができる。6月は欧州リーグが終了し、J1も1か月の中断期間となるため、控え選手の実戦投入や新戦力の発掘に時間をかけることができるのだ。

 現在の日本代表は各ポジションにタレントを有し、史上最強とも言える強さを発揮しているが、大きな問題はバックアップメンバーだ。控えの薄さは故障による戦力ダウンを引き起こし、レギュラーの固定化は、チームの伸びしろをなくす諸刃の剣でもある。この点が喫緊の課題となっている。

 各ポジションでバックアップが必要だが、とりわけセンターバックの今野(G大阪)と吉田(サウサンプトン)の控えは、緊急度が高い。またゴールキーパーも川島(リエージュ)が正GKとして安定したプレーを見せているが、最終予選に入った2012年から、控えの西川(広島)、権田(FC東京)の出場機会はほとんどない。ディフェンダーとの連携が必要なポジションだけに、レギュラーメンバーとの実戦経験は必要だ。

 本田(CSKAモスクワ)、香川(マンチェスターU)、清武(ニュルンベルク)、岡崎(シュツットガルト)と海外組を中心に、人材豊富な攻撃的ポジションも、乾(フランクフルト)、大津(VVVフェンロ)ら試してみたい若手は多い。そして1トップのFWも前田(磐田)以外に前線でボールをキープできる選手を発掘したいし、遠藤(G大阪)と長谷部(ヴォルフスブルク)で構成されるボランチも、日本の心臓部と言えるポジションだけにゲーム慣れが必要。本大会の1年前から、様々なテストを計画的に行えれば強みとなる。

 さらにワールドカップ出場が決まれば、2013年9~11月の国際親善試合のマッチメイクも有利に働く。この時期、ザックはアウェイで強豪国と対戦することを望んでおり、ワールドカップ出場国という立場で、ヨーロッパの強豪国と交渉するためにも、3月のヨルダン戦は「絶対に勝たねばならない試合がそこにある」のだ。

<取材・文・撮影/スポーツカルチャー研究所>
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海外スポーツに精通したライターによる、メディアコンテンツ制作ユニット。スポーツが持つ多様な魅力(=ダイバーシティ)を発信し、多様なライフスタイルを促進させる。日刊SPA!では3月に始まるWBCや、MLBの速報記事を中心に担当




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