1ドル75円説も、民主党代表選前に為替介入アリ!?
「円高関連倒産、過去最多のペースに」(8月15日/帝国データバンク)なんてニュースも飛び出すほど、忌み嫌われている円高相場。夏休みを利用して海外旅行に出かける家族連れが、「円高だから買い物がいっぱいできる」と喜んでも、次期首相候補の野田佳彦財務相は円高是正に躍起だ。
おのずとメディアも円高には過敏になっている。7月30日午前4時頃、テレビを前に「外国為替市場で1ドル76円台に 4か月半ぶりの円高水準」という前代未聞のテロップを目にした人も多いだろう。
8月4日に実施された財務省・日銀による為替介入も異例だった。朝10時過ぎから、日銀自ら電子ブローキングシステムを通じて、断続的に4兆5000億円もの円売り介入を実施。過去最大の介入で3円以上も円安に誘導し、円買い勢力を“一時的に”粉砕してみせた。
財務省が円高是正にこだわるのは、当然、円高が日本経済にとって不利益だから。介入は実質的な輸出企業に対する援護射撃だ。国内輸出企業の想定為替レートは1ドル80~82円。1円、円高が進むだけでトヨタの営業利益が300億円も吹き飛ぶのだから、過去最高値の76円25銭を更新しようものなら、軽傷では済まない。経済界の突き上げを財務省が無視できないのも当然だ。が、実は、円高に戦々恐々としていたのは経済界や財務省だけではないという。某FX会社幹部が話す。
「7月に入ってから、毎日のように金融庁から『8月から証拠金不足に陥りそうな投資家はどれぐらいいますか?』と電話が来ました。8月1日のレバレッジ規制(最大レバレッジが50倍から25倍に)を前に、どれぐらいの投資家が資金ショートを起こしそうか確認していたわけです。これは単に投資家保護のための確認作業ではありません。金融庁はレバレッジ規制により、急激な円高が進むことを恐れていたんです。ドル円や高金利の豪ドル円をロングしっぱなしの投資家は非常に多い。そんな投資家が資金不足に陥ると、強制決済されて円買い圧力が強まる。事実、昨年8月に最大レバレッジが100~400倍から50倍に引き下げられたときには、円高が進んだんです。86円台半ばだった円が数日で85円割れまで円高が進んだ。それ以前から円高基調ではありましたけど……」
今回は史上最高値更新間近という状況でのレバレッジ規制。「レバレッジ規制が円高に拍車をかけた」なんて、言われたらレバレッジ規制を実施した金融庁への風当たりは強くなる。そんな事態を恐れていたというのだ。
ちなみに最近、霞が関界隈では「『弱腰じゃないぞ!』とアピールするため、野田さんが民主党代表選(8月28日が濃厚?)前に再度介入に踏み切るかも」(財務省担当記者)などという話が持ち上がっているとか。「消去法で欧米よりも安全だからと75円割れまで円買いが当面続く可能性は高い」(外銀為替ディーラー)という予想が大勢を占めているようだが、金融庁、財務省、野田さん……3者の“メンツを保つ”ためにも再度の介入は必至か!?
取材・文/池垣完
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