鈴木おさむ流アイデア創出法とは?
『週刊SPA!』6月4日発売号より放送作家・鈴木おさむ氏の連載小説「The Name」がスタートする。本作は、今年1月から2月にかけて下北沢本多劇場にて公演された舞台作品を、舞台版では作・演出を担当した鈴木氏が自ら筆にとり、小説化するというもの。舞台から小説へフィールドを移す「The Name」。しかし、鈴木おさむ氏の本業はバラエティ番組の放送作家であり、舞台も小説もじつはキャリアが長いわけではない。それでも、現在ではドラマや舞台の脚本、エッセイ執筆、さらにはラジオパーソナリティと、次々と“越境”して活躍を続ける。ジャンルを問わず結果を残すため、鈴木氏はどのようにしてアイデアを創出しているのか?
⇒【前編】鈴木おさむのサスペンス小説は「残酷なビジネス書」でもあった!https://nikkan-spa.jp/450658
――舞台の脚本と小説、同じ題材を違ったかたちで表現する作業ですが、今の段階での感触を教えてください。
もちろんあらすじは変わらないですが、舞台から小説へ変換していくなかで、ディテールを見直していったら、結局、全面的に書き直すことになりました(笑)。舞台のときはどうしても客観的な視点で書き進めていたのに対して、小説は主観的な作業な気がしますね。だから書くときは楽しいけど、書くまではイヤ。自分のなかで芝居をしていく感じですかね。たとえば、「あの狂気をどう描くか」とか改めて考えるのは本当に苦しいけど、楽しいです。専業の小説家さんみたいにうまくは書けないけど、なんか面白くなればいいなって。「The Name」は「ストーリーを楽しむもの」としてでも、「情報を得れるもの」としてでも、「残酷なビジネス書」としてでも、各々が好きな部分、面白いと思う部分を切り取って読んでほしいです。
――文章を書くうえで影響を受けた作家さんは誰かいるのでしょうか?
実はまったく読んでないことはないんですけど、全然活字少年ではなくて、昔からむしろ書くことのほうが好きだったんです。だから、そんなにたくさんの本を読んできたわけじゃないんですよ……。今の10代は羨ましいですよ。小説もエンターテインメント化が進んでいるので、今なら高校生でも読める小説がいくらでもある。僕なんて、高校のときにシドニィ・シェルダンを読んで、こんな世界があるんだって度肝を抜かれた記憶があります……(笑)。強いていえば、文体とかの影響を受けたってわけじゃないですが、今年のはじめに読んだ福岡伸一さんの『動的平衡』、この本は抜群に面白くて。文章で知的好奇心をくすぐるってこういうことだなって……、今まで名前ぐらいしか知らなかったのに「インシュリンってすげーな」って(笑)。すごく専門的な話をしているはずなのに全然説教くさくなくて、あんな先生がいればいいなって思いましたね。文章だけでワクワクさせるのってすごく難しいじゃないですか? それでも、福岡さんの本のように、知的好奇心をくすぐる情報が物語のなかに出てきたら面白いよねって思いながら書いています。
――「The Name」、舞台版とはまた違った楽しみ方ができそうです。
実は「The Name」のアイデアも最初はバラエティ番組にしようと思っていたんですよ。あとは、ドキュメンタリーにしても面白いかなとか考えたり……。そんな感じでなんとなくキープしていて、結局、今回は舞台にアイデアががっちりハマった感じでした。ちなみに『ハンサム★スーツ』の場合は、「谷原章介さんで映画をやらないか」という話をいただいて、前々から「イケメンになれるスーツ」って設定があれば面白いなっていうアイデアがあって、それをドランクドラゴンの塚地(雄雅)さんに着せたらさらに面白いなって発想でつくりましたね。
――アイデアがジャンルを超えて拡散するのが鈴木さんならではという感じですね。ひらめきをかたちにするために何かされていることはありますか?
自分のなかのジャストアイデアみたいなものは手のひらサイズのポストイットに書き留めるようにしているんですよ。そして、それを書斎に置いてある油絵とか描くキャンバスにペタペタと貼付けておく。携帯のメモだけだと忘れちゃうこともあるけど、目の前にあれば視野に入りますからね。アイデアがどっかにいっちゃうこともないし、常に視野に入っていると、新しい仕事を始めるときには、自然と絡められないかなって考えるようになります。ただ、見られると恥ずかしいのでキャンパスは誰にも見せないようにしていますけどね(笑)。
※鈴木おさむ氏による小説「The Name」は6月4日発売『週刊SPA!』6月11日号より連載開始
<取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/渡辺秀之>
もちろんあらすじは変わらないですが、舞台から小説へ変換していくなかで、ディテールを見直していったら、結局、全面的に書き直すことになりました(笑)。舞台のときはどうしても客観的な視点で書き進めていたのに対して、小説は主観的な作業な気がしますね。だから書くときは楽しいけど、書くまではイヤ。自分のなかで芝居をしていく感じですかね。たとえば、「あの狂気をどう描くか」とか改めて考えるのは本当に苦しいけど、楽しいです。専業の小説家さんみたいにうまくは書けないけど、なんか面白くなればいいなって。「The Name」は「ストーリーを楽しむもの」としてでも、「情報を得れるもの」としてでも、「残酷なビジネス書」としてでも、各々が好きな部分、面白いと思う部分を切り取って読んでほしいです。
――文章を書くうえで影響を受けた作家さんは誰かいるのでしょうか?
実はまったく読んでないことはないんですけど、全然活字少年ではなくて、昔からむしろ書くことのほうが好きだったんです。だから、そんなにたくさんの本を読んできたわけじゃないんですよ……。今の10代は羨ましいですよ。小説もエンターテインメント化が進んでいるので、今なら高校生でも読める小説がいくらでもある。僕なんて、高校のときにシドニィ・シェルダンを読んで、こんな世界があるんだって度肝を抜かれた記憶があります……(笑)。強いていえば、文体とかの影響を受けたってわけじゃないですが、今年のはじめに読んだ福岡伸一さんの『動的平衡』、この本は抜群に面白くて。文章で知的好奇心をくすぐるってこういうことだなって……、今まで名前ぐらいしか知らなかったのに「インシュリンってすげーな」って(笑)。すごく専門的な話をしているはずなのに全然説教くさくなくて、あんな先生がいればいいなって思いましたね。文章だけでワクワクさせるのってすごく難しいじゃないですか? それでも、福岡さんの本のように、知的好奇心をくすぐる情報が物語のなかに出てきたら面白いよねって思いながら書いています。
――「The Name」、舞台版とはまた違った楽しみ方ができそうです。
実は「The Name」のアイデアも最初はバラエティ番組にしようと思っていたんですよ。あとは、ドキュメンタリーにしても面白いかなとか考えたり……。そんな感じでなんとなくキープしていて、結局、今回は舞台にアイデアががっちりハマった感じでした。ちなみに『ハンサム★スーツ』の場合は、「谷原章介さんで映画をやらないか」という話をいただいて、前々から「イケメンになれるスーツ」って設定があれば面白いなっていうアイデアがあって、それをドランクドラゴンの塚地(雄雅)さんに着せたらさらに面白いなって発想でつくりましたね。
――アイデアがジャンルを超えて拡散するのが鈴木さんならではという感じですね。ひらめきをかたちにするために何かされていることはありますか?
自分のなかのジャストアイデアみたいなものは手のひらサイズのポストイットに書き留めるようにしているんですよ。そして、それを書斎に置いてある油絵とか描くキャンバスにペタペタと貼付けておく。携帯のメモだけだと忘れちゃうこともあるけど、目の前にあれば視野に入りますからね。アイデアがどっかにいっちゃうこともないし、常に視野に入っていると、新しい仕事を始めるときには、自然と絡められないかなって考えるようになります。ただ、見られると恥ずかしいのでキャンパスは誰にも見せないようにしていますけどね(笑)。
※鈴木おさむ氏による小説「The Name」は6月4日発売『週刊SPA!』6月11日号より連載開始
<取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/渡辺秀之>
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