雑学

美容市場がなぜかニッチに向かう理由

◆美をめぐる市場がよりニッチに向かう理由

牛窪 恵氏

牛窪 恵氏

 よりニッチに企画・開発が進む美容アイテムの数々。それにはもちろん、女性のニーズがあってこそなのだが、世代間の価値観の変容に詳しいマーケティング評論家の牛窪恵氏は、「年齢により美に対する原動力は異なる」と指摘する。

「アラフォー以上になると、目に見えて肌の衰えがわかります。でも同時に、すべて完璧にすることはムリだとわかっているし、逆に自分の魅力がどこにあるのかも知っているので、どの部分をケアすればいいかが明確。その意味でパーツケアに走るわけです。一方、30代半ば以下のコは『恋愛できるか? 結婚できるか?』真剣ですし、コンプレックスが強く自信のないコが多いですから、それを打破して、完璧な自分になり自信を得たいという意識が強いですよね」

 そして、そこに「ニッチな市場を狙うしかない」という企業側の事情、さらに口コミが威力を発揮する業界だという特性が加わる。

「美に対するオタク的な欲求の強いコたちがいて、そのコたちは発信力を持っています。そこに企業は目をつけ商品開発をしています。そして商品化されると、特に周囲と同調しなきゃという思いが強いKY世代の若いコたちは『今まで気にしてなかったけど、みんながやってるなら』とそのニーズがさらに高まり、ニッチなものがさらに売れていく。そして若いコがやっているならばと、アラフォーへと広がっていくわけです」

 少し前に「背中ニキビ」ケアグッズが発売されて話題となったが、これもまた、若い女性の小さな悩みに企業が着目し成功した好例か。とはいえ、美容アイテムが生まれることで、新たなコンプレックスを掘り起こしているのだとしたら、なんだか気の毒な話ではある。

「女のコの『キレイになりたい』は、実は男性よりも同性の視線を意識してのものです。でもまるで男性のことを考えていないわけではなく、根本に自信のなさがあるわけですから、男性からの褒めの一言で女性としての自分を認めることができる。男性は女のコをもっと褒めてあげてください」

 なぜか、お鉢がこちらに回ってきて……なんだかすいません。

【牛窪 恵氏】
「おひとりさまマーケット」「独身王子」などの言葉を生んだマーケティング評論家。7月23日、『アラフォー独女 あるある!図鑑』(扶桑社)が発売予定

取材・文/田村竜馬 田山奈津子 古澤誠一郎 港乃ヨーコ 鈴木靖子(本誌) 撮影/落合星文
― [女の美容アイテム]珍品図鑑【9】 ―

アラフォー独女 あるある!図鑑

アラフォー女性の3.5人に1人が独女!

ハッシュタグ




おすすめ記事