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「転職は35歳限界説」が45歳に上昇!? 転職できるアラフォーの条件

 バブル崩壊後の’93~’05年の就職氷河期に社会に放り出され、その後のキャリア形成期にデフレとなり、給料が上がらないまま36~48歳の中年になったロスジェネ世代。就職、結婚、資産形成など人生におけるさまざまな局面で辛酸を舐め続けたロスジェネ中年たちは今、新たな問題に直面している。およそ2000万人いるといわれる、社会が生み出した「ロスジェネ中年」に救いはあるのか。そのリアルに迫る! 転職

耐えてきた実績が強みになる? 転職45歳説は本当か?

 巷では「転職35歳限界説」が通説だったが、近年は45歳説を謳う転職サイトも多い。それは本当なのか。実際、人事コンサルタントの城繁幸氏は「就職氷河期に採用を渋ったことにより、企業に“ロスジェネ層”の空洞化が起きていることが大きい。今がアラフォーの売り手市場です」と話す。では、どういう人材が望まれるのだろうか? 転職問題に詳しい複業研究家の西村創一朗氏が次のように解説する。 「中小企業は深刻な人手不足であり、行動力がある“実行部隊”が求められています。また、長年培ってきた専門性という強みも、転職を考える上で武器になるのでしょうね」  専門性というと、特殊な経験や職種を想像しがちだが、「それは勘違い」と西村氏は断言する。 「専門性を職種という大きな単位で捉えてしまうと、本来自分が持っている専門性や強みが見えにくくなってしまいます。例えば、営業力なども長年培ってきた立派な専門性であり、スキルです。そこにロスジェネ世代の特有の、“耐え続けてきたからこそ得られた実績や経験”が加われば、より強みへと変わるでしょうね」  この言葉を信じ、ロスジェネ世代の記者が転職サイトに登録したのだが、来るのは低賃金の肉体労働ばかり……。これに西村氏は、自分を売り込む“市場の見極めを間違えている”と語る。 「大手の転職サイトは求人掲載料も高いので、基本的には第二新卒や若者向けの大量採用、肉体労働などが大半を占めています。それよりも、経験や強みから個人に合った求人を提案してくれる転職エージェントがお勧めです。自分で情報を探す転職サイトとは違い、カウンセリングなどを経て、それぞれに合ったピンポイントな求人の紹介が可能です」  ほかにも、ミドルシニア層を対象とした転職サイトも存在する。決して己を安売りすることなかれ。今こそ、ロスジェネ層が活躍する時代が到来しているのだ。 【西村創一朗】 複業研究家、働き方改革の専門家として個人や企業、政府向けにコンサルティングを行う。NPO法人ファザーリング・ジャパン理事 ― ロスジェネ中年の絶望 ―
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