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スカイツリー1周年で明暗分かれた「城下町」

開業1年で「国民の3分の1が訪れた」と喧伝される東京新名所。しかし、そのお膝元を歩くと、ツリーの高さに比例するように、光と影も色濃く出てきていることがわかった……

東京スカイツリー 仰ぎ見る巨塔、スカイツリーを中心に、東の荒川、西の隅田川、南のJR総武線に囲まれた“三角地帯”。ここに注目し、歩いてみる。

 2両編成の列車がのんびりと走る東武亀戸線沿線。東あづま駅や小村井駅の近くの不動産店に聞くと、どこもうなだれ気味。東あづま駅近くの不動産店主は頭を掻く。

「いやぁ、確かにスカイツリーができる前は、期待ばかりが先走って、土地やマンションのオーナーも“2割増し”でソロバン弾いてたけど、いざ開業してみると、全然ダメ。客はついてこなかった。観光としては成功したかもしれないけど、定住者や企業誘致という面での好影響は全くなかったね」

 一方で、賃料・人気とも「倍に跳ね上がった」というのが、店舗物件だ。ツリー人気にあやかり、ひと稼ぎしようと目論むオーナーが、いまも地元の不動産店に問い合わせるそう。ツリーに近い本所吾妻橋駅前の不動産店主は、「『居酒屋を始めたいが、空き物件はないか』といった問い合わせが毎日のように来る。業態は飲食がほとんどで、問い合わせ件数も賃料も倍増しています」と語っていた。

 しかしそれ以外の商店街は閑古鳥。特にターミナル駅から少し離れた、古くからの“下町情緒溢れる”商店街の沈下が顕著だ。

スカイツリー

手書きポスターで客を誘う飲食店の店内は昼酒をあおる地元客がひとり

 かろうじて戦災を免れた「たから十間橋交差点」付近。ツリーのビューポイントとして有名だが、“ザ・昭和”なスナック街を残す一角だ。「スカイツリー!? ウチはまったく関係ない。地元の馴染み客も年老いて死んじゃうし、お先真っ暗よ!」というスナックのママの笑い声が印象的だった。

 京成曳舟駅に近いのに“週末はシャッター通り”と囁かれる「下町人情キラキラ橘商店街」では、

「ソラマチ(スカイツリー下の商業施設)ができる前は、呑み食いできるところがなかったから、建設中のツリーを見たついでに立ち寄る客がいたけど、今は完全にソラマチに客を奪われちゃった。地元の人間も行ってるぐらいだから」

 と地元商店主も自虐的だった。

 永井荷風も好んだかつての赤線地帯で、現在はひっそりとした商店街として息づく「鳩の街」は、スカイツリー開業に合わせ、退廃ムードを打破すべく、積極的に空き店舗を活用。新規商店を誘致するなどの手を打ってきたが、この先は不透明だ。ある商店主は漏らす。

「ウォーキングや歴史探訪といったガイドブック片手に、赤線の雰囲気が残る建物や遊郭の名残を見にくる人はちらほら見かけるけど、街の売り上げには結びつかない」

⇒【写真】日曜日は街がシャッター通りと化す
http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=453958


 同じく赤線地帯だった「玉の井」を歩くと、不思議な光景に出くわした。遊郭の雰囲気を残す路地に、「オープンハウス」「お部屋公開中」などといったノボリがあちこちに立ち、新築の住居がポツポツと出現しているのだ。

⇒【後編】へ続く「スカイツリーの影響!? 周辺地域の治安が悪化」 http://nikkan-spa.jp/452736

― 東京スカイツリー、1周年の泣き笑い【1】 ―

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