クルマオタクには、ラテン系メーカーの並行輸入ディーゼルが人気

ハイブリッドカー天国の日本でも、マツダやBMWなどのディーゼル車を見かけることが多くなった昨今。同じディーゼル車でも、クルマオタクたちが見ているのは日本では正規販売されていない並行輸入モノの逸品。わざわざ正規販売されていないモノを買うなんて、と思われるでしょうが、そこにはこんな魅力がありました
並行輸入車

「並行輸入車はなんか怖い!」と思っておりましたが、今回の取材を通じて、いいお店に巡り合えればそんなことないかもと思った次第です(担当K)

MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信=撮影 Photographs by Ikenohira Masanobu ◆オタク心をくすぐられる!日本未導入並行輸入ディーゼル【後編】 ⇒【前編】はコチラ  フランスやイタリアでは燃費のいいディーゼル車の人気が高く、販売の過半数がディーゼル。つまり、日本に正規輸入されているガソリンモデルは、人気薄の売れ残りみたいなものだ。オタクは常に本物志向なので、並行輸入のディーゼルに走るしかないのである。  このクーボ、乗ってみるとさすが1300cc。かなり遅いしガラガラ言うし、宅配便の運転手になった気分だが、マニア心は大いに満たされた。もう楽しくてしょうがない。これがオタクというものである。  私がクーボを買った変態的販売店「カーボックス横浜」では、現在、ラテン系メーカーの並行輸入ディーゼルモデルが人気があるという。 吉田社長:特に人気があるのがシトロエンの最高級セダン・C6のディーゼルモデルです。C6は不人気からすでに生産を終了しましたが、マニア的な評価は凄く高かった。そのディーゼルモデルに乗りたいというお客様がけっこういるんですよ  C6のディーゼルエンジンは3リッターV6でトルクモリモリ。ロングドライブにはもってこいの欧州的高級車だ。  C6は日本にも正規輸入されていたが、当然ガソリンエンジンのみ。あえてそのディーゼルに乗るのがシブイのである。  アベノミクスによる円安で、ここ半年でユーロ相場は3割アップ。並行輸入業界には逆風だが、吉田社長によれば、「マニアは高くても買いますから。中古並行という手もありますし」と意に介さない。  このオタク度の高さ、フトコロの深さが日本の底力だ。見栄を張れればそれでいい中国人とはステージが違う。 【結論】 大衆が見向きもしないマニアックなクルマでも、熱意さえあれば一応買える。それが日本のいいところ。レアな愛車に軽油を給油するときのこの優越感! 中国人には決して理解できないだろう。ざまあみろ 【フィアットQUBO(クーボ)】 【シトロエンC6】 取材協力/カーボックス横浜(http://www.carbox.jp/) ― オタク心をくすぐられる!日本未導入並行輸入ディーゼル【2】 ―
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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