山手線チャリ一周の旅ガイド 撮り鉄心をくすぐる撮影スポット10景
首都圏生活者の通勤・通学を支える山手線。29駅、路線距離34.5kmの環状線だ。そんな日常の一部ともいえる乗りなれた電車を降り、ちょっとした非日常を味わうべく、自転車で一周に挑戦! 普段は通勤で10分程度しか自転車に乗らない筆者は、一人で行くのは不安となり自転車に乗りなれた人を誘うことに。
⇒山手線一周フォトギャラリー
https://nikkan-spa.jp/53020/yamanote_07
◆撮影スポット
1、レトロな高架下にうっとり(浜松町~神田)
浜松町を出発してしばらく、神田駅あたりまでは自転車の頭上を電車が走ることとなる。高架下は無骨な鉄橋となっていたり、赤レンガでできていたりと、どこかレトロな雰囲気が漂っている。
2、高架上を走る山手線(浜松町~上野)
浜松町からしばらく上野駅手前あたりまで高架は続いている。御徒町駅などは、特に高架が高くなっており、なかなか電車を眺めることができない。線路から離れた地点から望遠で狙える可能性は高い(今回の旅では時間の都合で断念)
3、川の向こうに小さく見えるミニチュアみたいな電車(秋葉原)
神田~秋葉原間では、赤レンガの高架が続いた後、線路と車道は離れ、別々に川を渡る。線路から少し離れたところにある万世橋から撮影するのがベスト。
【寄り道1】レトロな銭湯で一休み(御徒町)
東京都内には実に多くの銭湯が点在している。自転車で走りながら、ふと目線を上げてみると銭湯の煙突が目に入ってくる。その中でも特にオススメなのが、御徒町駅にある燕湯さん。朝6時からの早朝営業やレトロな店構えから愛好者も多く、電車で乗って来るお客さんも多いとか。自転車を漕ぎ疲れたらぜひ立ち寄りたい。
4、複数線を下からも横からも(上野)
乗り入れ本数も多い巨大ターミナル、上野駅。公園口を出て右側へ進んでいくと、線路の上を渡る大きな橋にさしかかる。橋の上から電車を撮るもよし、橋を渡りきって、横から複数線がすれ違うのを撮るのもよし。上野公園の人混みから外れて、うっとりタイムを過ごせる。
5、複数路線が高低差でバランスよく走行(西日暮里→田端)
多くの電車を斜め上から綺麗に撮れるスポット。西日暮里駅から長い上り坂をあがっていくと、目線の高さに走っていた山手線が徐々に下に見えてくる。フェンスの茂み越しに見えにくいところから、一気に視界が開け、複数線が勢いよく走っていく姿は爽快! 撮り方次第では、ミニチュアの様な写真も撮りやすい。
6、山手線唯一の踏切(田端→駒込)
山手線に踏切がある!? どこを見ても高架やフェンスに囲まれて低くなっている山手線にも、一箇所だけ踏切となっている場所がある。田端駅から駒込駅の間は、複線化している箇所が多い山手線沿線では珍しく、山手線の内回りと外回りの2本だけが走っている。車の通行量も少なめなので、安全な位置から踏切越しに撮影が楽しめる。
7、都営荒川線の滑り込み(大塚)
昭和にタイムスリップしたかの様な情緒ある路線・荒川線。高架の上のホームに滑りこむ山手線と、その下にゆったりと入ってくる荒川線を写真におさめられればベスト。なかなか同じタイミングにならず今回は断念。
8、レトロな駅舎にうっとり(原宿駅)
寄り道のしすぎて周囲はすっかり真っ暗に。原宿駅は、1924年(大正13年)にできた都内では最古の木造建築だという。暗闇の中でぼんやりと光るライトに優しさを感じる。表参道口を出てすぐにある神宮橋からは、真下を走る山手線がよく見える。ちょっと足をのばして、代々木第一体育館の敷地内にある高垣の上に座れば、眼下を走る山手線や埼京線を撮影することもできる。
9、真横至近距離からの撮影(五反田→大崎)
恵比寿を過ぎたあたりから線路との距離は遠くなっていく。その後、最も線路に近づけるのが大崎駅の手前のフェンス越しだ。街灯で輝くマンションを背景に、その前を通りすぎていく山手線を撮影することができる。スローシャッターで撮影すれば、流れるような写真ができあがるだろう。
【寄り道3】恐竜がいる公園(大崎→品川)
大崎から品川駅の区間には注意が必要だ。線路から道路が離れるうえ、距離も長いので道に迷いやすい。そこでオススメなのは、山手通りから第一京浜に抜けるコース。道沿いにある、大きな恐竜が多数いる区立子供の森公園への寄り道もオススメ。
10、真下から見る山手線 通称「提灯殺し」に興奮!(品川→田町)
今回の旅の最大の見どころはココ! なんと山手線を下から撮影できるのだ。提灯殺し(高輪中央架道橋)と呼ばれタクシー運転手に恐れられているスポットでもある。その理由は、タクシーの提灯ギリギリの高さ制限1.5mという天井の低さと長さにある。品川駅を手前に多数の路線をくぐっているこのトンネルは、入口からは出口も見えない。夜になるとちょっとした肝だめしスポットにもなるのだ。
【寄り道2】レインボーブリッジを間近で味わう(田町→浜松町)
田町駅から5分ちょっと海岸まで走ると、レインボーブリッジが目の前に広がる。橋を渡る前の美しいRを描いた道を堪能できる。道路を走る車のライトや、ゆりかもめがゆったり進んでいく様子を眺めれば疲れも吹っ飛ぶ!
◆一周の旅に挑戦してみたい人はレンタサイクルがオススメ!
有楽町にある無印良品では自転車を借りることができる。料金や貸し出し時間をチェックして、気軽に自転車の旅に出てみては?
◆旅のまとめ
走行距離 53km 9時間(13時発、22時25分着)
寄り道&撮影タイムが長すぎてこんなことに……。ちなみに歩きだと14時間かかりました。
取材・文・撮影/林健太 イラスト/北条晶
◆今回の山手線一周チャリ旅の詳しいレポートは下記のサイトで掲載中!
北条先生のエッセイ漫画はこちらから↓ [ぐるっと一周、山手線!]
http://4koma.livedoor.com/mangalife/houjoakira/jitensyajoshi/025/
自転車女子、はじめましたvol.05「ペダルとギアですいすいポタリング」
http://dokujo.jp/archives/51706690.html
◆旅の仲間
北条 晶(ほうじょうあきら)12月30日生まれ・漫画家・イラストレーター。4コママンガからレポートマンガ、エッセイコミックまで幅広く手がける。代表作は竹書房刊「お父さんは年下」など。よく多芸だねと言われるが、単に物怖じしない器用貧乏というのが正解。自転車は10年前に買ったクロモリのDEROSA。過去には輪行袋で北海道まで行き、寝袋を背負って札幌まで走った経験を持つ。実はちょうど一日一辺走って、4日で北海道一周できると思っていたのは内緒である。北海道さん、まじ北海道。ここ数年多忙により自転車から離れていたが、自らの体に諸行無常を感じ、この度久しぶりにガレージから引っ張り出してきた。
http://blog.livedoor.jp/houjoh/
旅の仲間となってくれたのは、エッセイコミックWebマガジン『ゆるっとcafe』で『自転車女子、はじめました』を連載中の漫画家・北条晶先生。正午に浜松町駅に集合し、上野方面へ反時計回りでの一周をスタート。
山手線、横から撮るか? 下から撮るか? 撮り鉄見習いの筆者が、おすすめ撮影スポットを紹介する。
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