300万円以下で買える、人気コンパクトカーを比較してみた
今年もさまざまなクルマが発売されましたが、なかでも元気なのがコンパクトカー市場。国産車をはじめ、ドイツ車、フランス車、イタリア車などの輸入車からも値ごろ感満載の新モデルが登場しました。そこで代表的な4車種をピックアップ。寸評&10点満点で採点してみました
西村直人=文 Text by Nishimura Naoto
池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu
◆300万円以下で買える、人気コンパクトカーを比較してみた!!
まずは基準になるフィット。1.3リッター(126万5000円~)、1.5リッター(158万円~)、ハイブリッド(163万5000円~)の異なるエンジンの3台に乗った感じでは、カタログ燃費リッター24.4kmの1.3リッターモデルが、高速道路をガンガン走らないならベストだと感じた。
都市部を20kmほど走行した燃費も良好で、実燃費リッター18.1kmを記録。ハイブリッドモデルの実燃費リッター26.2kmに比べれば、「えっ、そんなに悪いの?」と思うかもしれないが、まったくエコランせずにフツーに走ってこの数値は立派だ。もちろん、1.3リッターエンジンは100馬力のため、ストレスなく走らせるとそれなりに車内は騒がしいが、過剰な装備がないため運転が楽しめた。歴代フィットが誇った車内の広さが、さらに拡大した点もいい。オプション装備ながら、ぶつからないクルマ機能の「シティブレーキアクティブシステム」とか、サイドカーテンエアバックなどの安全装備も付けられる。
オススメ度は1.3リッターが7点、1.5リッターは1.3リッターより静かで速いぶん8点。ハイブリッドも8点としたかったが、モーター走行時のギクシャク感が目立ったので7点とした。
こうしたフィットに、予算をあと50万円~100万円追加すれば買えるのが、200万円台でしのぎを削る輸入車のコンパクトカーだ。
フィットハイブリッドの最上級Sパッケージに50万円程度を追加すれば、輸入車初の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したVWのゴルフが買え、もう少し背伸びすればメルセデス・ベンツのAクラスやボルボのV40も視野に入る。10年前だったら考えられなかった話だ。
例えばゴルフの強みは、最低10年は乗り続けたいと思わせる高い実用性。がっしりとしたボディに守られた重厚さと、超が3つ付くほど快適で軽快な乗り心地の両立はちょっとした感動もの。Aクラスの特徴は、新世代の低燃費型エンジンとメルセデス・ベンツならではの安全思想だ。20~30代の若い世代に向けたエグいデザインも魅力的。またV40の方向性は非常に明快。押し出しの強い外観と落ち着いた内装に、歩行者、自転車を検知する「衝突被害軽減ブレーキ」を融合させ、プレミアムなスポーツコンパクトカーを狙う。
⇒【後編】に続く
― 300万円以下で買える、人気コンパクトカーを比較してみた!!【1】 ―
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