AKB48?女性ファッション誌?斬新すぎる駅弁も登場【第49回駅弁大会】
―[第49回・駅弁大会]―
3連休中も大盛況だった「第49回元祖有名駅弁とうまいもの大会」。今年も記者は連日会場に出向き、日本中の駅弁とうまいものに舌鼓を打っている。
色とりどり、嗜好を凝らした45都道府県(沖縄と大分は今回不参加)330個の駅弁を見ていると、旅情と食欲を掻き立てられているが、そんななか、異色の駅弁を発見した。
◆山梨のご当地アイドル!?
黒地に蛍光ピンク、既視感のあるあのフォント。輸送駅弁のコーナーで記者の目に止まったのは「BBQ48」(山梨県 中央本線 小淵沢駅/1300円)だ。
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豚肉が網焼きされたパッケージの写真の横には、ご丁寧にも「ビー・ビー・キューフォーティエイト」と書いてある。バーベキューのBBQとすぐさま理解できたのだが「48」とはなんぞや? しかし、そんなツッコミは許すまじと、「農林48号(のうりん48号)山梨県北杜市武川町でしか栽培されていない幻のお米です」とでかでかと印刷されいる。
農林48号は、新潟県の魚沼産コシヒカリにも勝るとも劣らぬ味と評判になり、今では都内の有名寿司店が採用するほどのブランド米らしい。
ド派手なパッケージを開けると、一転、地味な光景が。肉肉肉肉……ジャガイモ。スモーキーな香りが鼻をくすぐる実に男らしい駅弁だ。パッケージの逆側には「BBQ48(ビー・ビー・キュー フォーティエイト)とは……柔らかくジューシーな山梨県産フジザクラポークを伝授された秘伝の特製タレにつけて香ばしく焼き上げてつくったお弁当です」との但し書きがあった。
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さっそく豚肉をひと口。焦げた部分からは香ばしく、BBQ感溢れる柔らかい肉。タレが染みた農林48号(ごはん)は甘く濃厚で、冷めていてもぐんぐんと口に入っていく。豚肉の脂をしば漬けと一緒に食べるとなおいい。付け合せはじゃがいもの素揚げ、きんぴらごぼうという男らしさ。意外やペロッと完食してしまった。
小淵沢駅といえば創作駅弁ブームの元祖「元気甲斐」や今大会でも販売されている大人気駅弁「甲州カツサンド」を産みだしたいわば「革新駅弁」の産地。「BBQ48」の新たなるチームが参戦があるか今後も注目したい。
◆AneGoならぬ「AnaGo」
続いては、実演コーナーで見つけた「日本海あなご(AnaGo)弁当」(島根県 山陰本線 松江駅/980円)。ごらんの通り、駅弁タイトルが蛍光ピンクの赤文字系、ファッション誌に似せたフォント書かれており、「弁当」の「当」の一部が「☆」になっているのが可愛らしい。
“雑誌”の命ともいわれるアオリキャッチは「コレであなたも出雲ガール!決め手は、コラーゲン&ビタミンA!」と眩しい蛍光ピンクで書かれている。さらに「新しい出会いを予感させる!グルメでオシャレなあなご弁当デビュー」、「美肌をキープ、女子力アップ!」の文字も。「キレイになるにはあなごがミソだ!」「ミソ風味」と3箇所も書いてあるところを見ると「味噌味のあなご」が入っているようだ。
肝心の中身は日本海で捕れたあなごを、味噌と醤油の2種類で炊いたものが白米の上にのった小ぶりの弁当。あなごに含まれるコラーゲンやビタミンAが美肌にいいとのこと。昨年「日本一美肌県」に輝いた島根県の面目躍如といったところか。味噌味のあなごをいただくのは初めての記者。江戸前の醤油味に比べると、かなり濃厚な味だが、ふっくらと柔らかく、香りも良い。日本酒などと併せて食べたい駅弁だろう。
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掛け紙の裏には「出雲ガールお勧め」の美肌を追求する「玉造温泉宿泊コース」や縁結びの「松江しんじ湖温泉宿泊コース」と観光のモデルコースが載った”特集記事”も充実。あなごをほおばりながらじっくりと読みこんでしまった。
実演販売ブースにも大判のポスターサイズでこの掛け紙が貼ってあったが、「Ana Go弁当」は残念ながら15日で終売。島根からやってきたアバンギャルドの波は、駅弁界に確かなインパクトを与えている。
【第49回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会】
1月9日(木)~21日(火)
京王百貨店新宿店7階大催場
午前10時~午後8時 ※15日(水)・21日(火)は午後5時閉場
http://www.keionet.com
<取材・文・撮影/駅弁記者(参加=7年連続12回目)>
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