STAP細胞と同じ日に発表された研究も興味深い内容だった
新たな万能細胞「STAP細胞」に関する論文が注目を集めている。ES細胞、iPS細胞とは異なる特徴や作製方法で、「革命的」と注目されており、国内外で大きく報じられた。研究成果もさることながら、研究者の小保方(おぼかた)晴子博士自身についても、実験時に着用しているかっぽう着姿や、生い立ち、研究室の環境などが取り上げられて、メディアを賑わせている。
ノーベル賞か!? とも注目されているが、そんな中、STAP細胞発表と同日に理化学研究所が発表した研究成果に、これまた興味深いものがあったことをご存知だろうか?
それは、「カエルの合唱に法則を発見した」という発表だ。
理化学研究所脳科学総合研究センターと京都大などの研究チームが、科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表したこの研究、果たしてどのようなものなのだろう?
水田に近づくと、姿は見えないがいたるところからカエルの鳴き声が聞こえてくる。示し合わせて合唱しているようにも思えるが、個体同士で連携があるのかどうかなどはこれまでわかっていなかった。
その謎を、独自に開発した音声可視化装置「カエルホタル」で測定、数理モデルで解析した結果、野外では複数のアマガエルは交互に鳴き交わす傾向があることや、個体ごとは1~3m程度離れていることを発見したという。
「カエルホタル」は、鳴き声に合わせてLEDが点滅する装置。この装置を40台水田に並べ、点滅パターンを動画撮影、結合振動子系という理論を応用した数理モデルを使ってパターンを解析したという。
今回の研究対象となったのは、日本全域に生息するニホンアマガエル。今後は、夜行性で音声を発する動物や昆虫などの行動研究に応用されることが期待されている。
ちなみに、研究メンバーの理研・合原一究さんは1982年生まれの31歳。1月29日は、理研から若き研究者2名による非常に独創的な発表があったということになる。今後も、若き研究者たちによる意欲的な研究、発表に注目したい。 <取材・文/林健太>
●理化学研究所 プレスリリースより
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ