大雪が“非舛添”の追い風に!? 都知事選、今夜決着
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ご存じのとおり、この日は大雪。道行く人はまばらだ。「最後のお願いにやってまいりました!」と叫んだところで、その声は届きづらい。
それはギリギリで都知事選に名乗りを上げた家入一真候補も同じだった。13時から渋谷ハチ公前で「渋谷ハック」なる最後の街頭演説イベントを行い、50~60人(17時半時点)の聴衆を集めていたが、吹雪を前に17時半で断念(予定では20時までだった)。「このまま続けたら、みんなが帰れなくなるかもしれない」と危惧して、街頭演説を締めくくったのだ。
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だが、それから1時間20分後の18時50分、舛添氏の対抗馬と目されていた細川護熙候補と小泉純一郎元首相の姿は新宿アルタ前にあった。そこに集まった聴衆はざっと300人。
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「原発ゼロを表明していないのに、(現段階で)原発ゼロでやってるのは日本だけですよ!」
吹雪で髪を逆立てながら小泉元首相が熱弁をふるえば「そうだ、そうだ!」とコール&レスポンス状態。演説が終わっても「ホッソカワ! ホッソカワ!」と1分半にわたって細川コールがアルタ前にこだましていたのだ。この様子を目の当たりにした政治部記者が話す。
「明らかに、街頭演説の規模では細川さんが舛添さんを圧倒しています。新宿に限らず、他の街頭演説を比較しても明らか。正直、なんでコレでダブルスコアなんだ?という気はします。ただ、よく見れば、毎回いる脱原発派の市民団体関係者の姿がある。その動員効果と、『小泉さんが見たい』というだけのミーハーなファンがほとんどでしょう」
確かに、演説中は「細川さ~ん」の声よりも、「小泉さ~ん」の声のほうが圧倒的に多い……。盛り上がるのも、細川氏でなく、小泉氏の演説。声をかけてみれば、「実は都民じゃないんです……」という人も多い。だが、その熱気を実際に浴びれば、世論調査の結果を疑いたくもなる。政治ジャーナリストの藤本順一氏も「まだわずかだが逆転の目はある」と見ているという。
「大雪にもかかわらず、街頭演説を熱心に聴くような人は、どんな天候でも投票に行くでしょう。でも、舛添氏を応戦している自民党や公明党の支持者に多いお年寄りはそうはいかない。自公の都内の基礎票はざっと120万票と言われていますが、天候次第では100万票前後になる可能性もある。一般に投票率が下がるほど、組織票のない細川氏などは不利と言われていますが、大雪で投票率が下がるならまったく逆の展開も考えられるのです。仮に石原慎太郎氏が2期目の当選を果たした2003年と同じ44%台の投票率となると、有効票数は約475万票(有権者1080万人×44%)。ここから自公の基礎票100万票を差し引いても375万票あるんです。対抗馬として有力視されてきた細川・宇都宮・田母神の3氏が分け合っても125万票ずつ。限られた浮動票の持つ意味が大きくなって、混戦になる可能性は十分ある」
50年に一度の大雪が、細川氏ら浮動票頼みの候補者にとっては神風となる可能性もあるというわけ。実はこの神風到来を期に、細川陣営が逆転を狙っていた節もある。細川選対関係者が話す。
「選挙戦最終日にサプライズとして小泉進次郎氏を応援弁士に呼ぶつもりだったのです。ご本人も3日前まで『離党覚悟で立つ』と言っていたようですが……報道されているように、選対メンバーが入れ替わったりで、バタバタしていたため企画倒れに終わりました」
ちなみに、最終演説を直接聞くことはできなかったが、宇都宮・田母神両氏も、写真(支援者及び、候補者のサイトより)を見る限り、舛添氏を上回る聴衆を集めていた。最後のサプライズは起こるのか?
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<取材・文・撮影/池垣完>
※田母神候補の演説写真は田母神氏の公式ツイッターより。宇都宮候補の演説写真は「希望のまち東京をつくる会」(http://utsunomiyakenji.com/)より
今夜にも大勢が判明する予定の東京都知事選。2月1日前後に行われた新聞各社の世論調査で「ダブルスコアでリード」が報じられたように、いまだ舛添要一候補の圧倒的優勢には変わりない。それどころか、2月3~5日にかけて3回目の世論調査を行った東京新聞は「前回に比べ、舛添氏が差を広げつつある」と報じているのだ。が、「50年ぶり」とも言われる大雪に見舞われた選挙戦最終日の光景からは、世論調査とまったく異なる構図が見えてきた。
2月8日17時50分、舛添氏の姿は池袋のサンシャイン通りにあった。選挙戦最後の街頭演説(徒歩遊説)を行っていたのだ。写真のとおり、舛添氏を取り囲むのは30~40人の人だかり。ほとんどが選対スタッフと報道陣だ。
「舛添要一と写真を撮ってください! そして、みなさんに送ってください!」
スタッフが周囲の人々に声をかける。ときには遠巻きにスマホで舛添氏を撮影していた人の手を取り、舛添氏とのツーショット写真を勧める。女性との撮影に気をよくした舛添氏が、自ら歩行者に歩み寄り、「一緒に撮りましょう」と声をかけるシーンも見られた。すると、次第に撮影希望者が増殖し、50~60人の人だかりに囲まれたりもしたのだった。
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