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話題のエクストリーム出社の「早朝物件探しイベント」に行ってきた

 昨年夏から、あちこちのメディアで「エクストリーム出社」が取り上げられている。最初はごく普通の一般人がTwitterを使った軽い遊びとして始めたものだったが、今月1月には書籍『サラリーマンは早朝旅行をしよう!』(SB新書)も発売され、一つの文化になろうとしている。

 エクストリーム出社の単語が出ると、必ず「朝活」が引き合いに出される。朝に何らかの活動をしていた人は前からいる、朝活と何が違うんだ、と。これに関して、「朝活は勉強会など、意義のある、自分磨きの側面が大きい。エクストリーム出社は、意味がなくてもいい、朝に“楽しい時間”を過ごすことで、出社に対して抱いているネガティブな気持ちをリセットするのが第一」と日本エクストリーム出社協会側は公言している。つまり、エクストリーム出社はあくまでも“レジャー”なのだ。

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いざ。

 だが最近では、「エクストリーム早朝家探しツアー」といった、“意義”のありそうなイベントも行われているようだ。そこにエクストリーム出社らしい“レジャー感”はあるのか。また、朝に内見するのは、日中にするのと何が違うのか。実際に体験してみた。

 当日、集まったのは筆者を含めて3人。もちろん、事前に「どんな家を見たいか」とアンケートがあったわけではない。見たい家のタイプや地域はバラバラだが、なんとなく家を探している、くらいのゆるやかな気持ちを抱いた面々が揃った。

 その日、協賛の不動産会社・ラクラスホームの担当者が見せてくれたのは、文京区の分譲兼賃貸マンション(1LDK/分譲価格:2,798万円・賃貸価格:12.8万円/月)と、中央区の分譲マンション(3LDK/分譲価格:4,350万円)。

 もちろん、このどちらも、参加者の誰かが見たいと希望している家ではない。ましてや、筆者を含めて参加者全員、分譲を買うお金などないと言っている。このイベントでは不動産会社が協賛してくれているからいいが、それ以外で全員がそんな状態で内見に来ていたら迷惑だろう。そこはイベントならでは。こういう雰囲気が“単なる内見”の“レジャー感”を増してくれるのだろう。

 何より、普段手が出ないような広くて高価な部屋に足を踏み入れるだけで気分が高まる。早起きしていつもと違うことをしている高揚感もあいまって、ただ単に数人で部屋を見ているだけなのに、遊びに来ているような気持ちになった。見学している途中で、出社時刻になったからと抜けていく人も。“家を探す”という観点では、やはり本気度はやや低い。

 おそらく早朝内見をエクストリーム出社のイベントとして行い、複数の人間で観に行くメリットは、まず「複数人で見に行くことで、一人では気付かない点に気付ける」こと。

 次にこれは個人で観に行く時にもメリットになるだろうが「朝、出社前の光の具合がわかる」「家から駅までの出社時のシミュレーションができる」などが挙げられる。これらは、実際に本気で契約する際にも十分メリットになるはずだ。

 逆に、“契約するつもりもないのに内見できる”のも、こうした「イベント」ならでは。「手の届かないような高級物件を見るチャンス」「普段聞けない家探しのコツを聞ける」などもイベントならではのメリットか。今回の「エクストリーム早朝家探しツアー」も、参加者の誰もが、実際に契約するつもりのない(しようとしても高額すぎてできない)部屋を見ていた。それゆえ、不動産の担当さんへの質問も、その部屋自体についてよりも、「分譲は賃貸よりも得なのか?」「南向きと西向きはどちらがいいのか?」といった部屋探し豆知識に終始していた。「内見」というより、「モデルハウスを見ながら物件について学ぶ会」と言ったほうが正しいかもしれない。

⇒【写真】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=586604

 今後は、この「早朝家探しイベント」をシリーズ化して、「ファミリー向け物件」「ペット可物件」などテーマごとに絞った本格的な内見ツアーをすることも考えているとのこと。とはいえ、本気で家を探すならば休日に長い時間かけて見学したほうがいいのは間違いない。候補の候補探しくらいのカジュアルな気持ちで参加するのが正しい形なのかもしれない。 <取材・文/朝井麻由美>

●日本エクストリーム出社協会HP
http://www.xn--icko4ayd9fnc4gs150a23zd.com/

●ラクラスホームHP
http://www.laclasse-home.co.jp/

【朝井麻由美】
フリーのライター・編集者。主なジャンルはサブカルチャー/女子カルチャーなど。体当たり取材が得意。雑誌「ROLa」やWeb「日刊サイゾー」などでコラム連載中。近著[構成担当]に『女子校ルール』(中経出版)。Twitter @moyomoyomoyo (https://twitter.com/moyomoyomoyo




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