【消え行く昭和遺産】東急プラザ蒲田の屋上観覧車に乗ってきた
百貨店の屋上遊園地がいま無くなりつつある。東急プラザ蒲田の屋上遊園地は、3月2日に閉店することとなっており、閉店までの期間、都内唯一の屋上観覧車を無料開放している。1968年のオープンから45年間愛されてきた観覧車に乗ってみた。
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/595234/plazaland_02
ゴンドラに乗り込むと、小型ながら4人乗りのゆったりとした空間に驚いた。やや揺れが気になるものの、記者は1人で贅沢にくつろぐことに。高さもそこそこと思いきや、屋上で遊ぶ子どもたちの様子や、東急蒲田駅の駅舎天井、ホームに入線する列車の様子を一望できた。晴れた日には都心の高層ビルまで見えるそうだ。
訪れていた子連れの母親たちは、ママ友と楽しく談笑したり、走り回る子どもの様子をぼんやりと眺めていた。笑い声が絶えない屋上遊園地は、しあわせな時間が流れており、ベンチで休んでいると、ウトウト寝てしまいそうであった。
また、初老の男性の姿もみられた。昔から蒲田に住んでいるという男性は「中学生のときに何となく遊びに来たことがあり、もう何十年も来ていなかったのですが、最後と聞いて様子を見に来ました」と、観覧車を熱心に撮影していた。
ちなみに、都内の屋上遊園地は3月中に1か所のみとなってしまう。3月2日に東急プラザ蒲田、3月11日に松坂屋上野店が相次いで閉店し、残りは京王百貨店新宿店のみとなる。都内近郊では、埼玉県の丸広百貨店川越店「わんぱくランド」が観覧車以外にも多くの遊具が立ち並んでおり、見応えがありそうだ。
戦後につくられた東京の風景は、今後も消え行く運命にある。屋上遊園地に思い出があるという方は、今のうちに目に焼き付けておいたほうがよさそうだ。 <取材・文・撮影/林健太>
ゴンドラの数は9台、高さ10メートル強、一周約3分半という小型の観覧車は、「グレ太の観覧車フラワーホイール」と名付けられている。現在の観覧車は2代目にあたり、1989年に営業開始したもの。屋上遊園地の手前に100円で遊べる乗り物型遊具が並び、奥にカラフルに塗装された観覧車のゴンドラがある。
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ