サービスマンに聞く「トラブル客の対処法」【後編】

美容院,サービスマン, 座談会「ホスピタリティ」という言葉が一般的になり、サービスの内容と同時に、その質も問われるようになっている。が、その一方で「お客様は神様」という言葉を曲解した、困ったちゃんな客も少なくない。ツアー添乗員、美容院、携帯電話販売店マネジャー……いずれも“いろいろなお客様”と対峙する仕事。日々、何を思い、お客様と接しているのか? トホホな客の対処法は?

<座談会>「サービスマン」は“演技者”だ!【後編】

⇒【前編】はコチラ http://nikkan-spa.jp/600844

理美容室経営・春岡浩二さん(仮名):僕は1:1のサービスなので、お客様の望みを丁寧に掬い取るほうですね。中国の古典『菜根譚』の中に「愚痴や不満を言いたい人の話は聞いてあげ、いばりたい人にはいばらせてあげる。そうすると、自分に合わないお客はいなくなる」といった内容の言葉がありますが、実際、お客様と自分は合わせ鏡のようだなと思うようになりました。

ツアー添乗員・水野栄吉さん(仮名):気の持ちようですよね。嫌だと思えば本当に嫌になるけど、「寂しいんだな。今日は聞いてやるよ」と思えば、寛大な気持ちになれ、そう接するうちに、お客様の表情も変わってくる。

携帯電話販売店マネジャー・岡本 悟さん(仮名):水野さんが言う「演出」「演技」というのは、よくわかるなあ。僕は接客業はやはりディズニーの精神が至高だと思っています。お客様の前はステージであり、舞台上でいかに演技ができるかが大事だと。若いスタッフにも、「店のバックヤードに入ったら、ため息をついてもいい。でも、お客様の前に立ったら、笑顔でお客様の話を聞き、提案しよう」と言っています。人と人ですから、どうしても相性がある。だからこそ、そこで個を押し出すのではなく、あるべきスタッフ像を演じることで、よりいいサービスができるんじゃないかなって思っています。

春岡:経験も積んでいくと、シナリオも見えてきますよね。このお客さんはただ言いたいだけだなとか、値切るのが目的だなとか。そういうパターン分けがあって、こちらの応対も自然と決まる。ただ、これは経験からくるものなので、マニュアル化はできないんですが。

水野:なんだかんだいってサービスの現場って人と人なんですよね。私は根っからのお節介なので顔が見えると情が湧いて、構ってあげたくなっちゃう(笑)。

春岡:サービスマンって人の世話を焼きたい性分なんですよ。お客さんに理不尽なことを言われてコノヤロー!と思っても、そこでかいがいしく動いている自分がかわいかったりするから。

岡本:自分ではサービス業が向いているのかどうかわかりません。でも、「人と接するのが、苦手だけど好き」なのは確か。この微妙な“苦手”の部分を、演じるということで乗り切れることができてるのかなとも思います。

水野:今の時代のサービス業ってすごく難しいと思うんです。よかれと思ってやったことがセクハラと捉えられたり、これは無料、これは有料とひとつひとつ説明しないと、「聞いてない」となってしまうから。それでも、面白いんですよ。人と人との仕事は。

●水野栄吉さん(仮名)
主に国内旅行のツアー添乗員やガイドを務めるベテランサービスマン。45歳。他社よりツアー内容が劣っているときは「ウチはこうですが~」と先にネガティブ要素を出してクレームを制する「先手必勝法」など独自に対処法を編み出してきた

●春岡浩二さん(仮名)
東京郊外で理美容室を経営する36歳。客層は地元の中高年が中心だが、髪のことを思いやったアドバイス、極力お客の要望に応える姿勢にリピーターも多い。とはいえ、その優しさにつけ込まれ客にお金を貸して戻ってこなかった苦い経験も

●岡本 悟さん(仮名)
携帯電話販売店マネジャー。35歳。広告業界からの転職組。携帯業界はキャリアからの決まりで窓口ではどうしようもできないことも多く、お客様の怒りをぶつけられることも多い。若いスタッフのモチベーションをどう高めるかが目下の課題

※写真はイメージです
― 私が遭遇した[トホホな客]図鑑【6】 ―

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