「STAP細胞捏造事件」が日本の科学技術研究に与える影響は?【後編】

ネイチャー誌で発表されたSTAP細胞論文から博士論文まで、小保方晴子氏のさまざまな剽窃や実験データの捏造が明るみに出た。物理学の博士号を持ち、かつては研究者だった藤沢数希氏が、「STAP細胞捏造事件」が日本の科学技術研究に与える影響を語る ◆STAP細胞捏造事件で世界中の笑いものに。日本の科学技術研究の中枢で起きた不祥事が暗示するもの【後編】(人気ブログ「金融日記」管理人 藤沢数希氏) ⇒【前編】「小保方さんは軽薄なリケジョそのものだ」はコチラ ◆科学技術研究の中枢で起きた不祥事の影響  株式市場では新日本科学、タカラバイオ、リプロセルなどが高騰したが、その後は低迷。また、割烹着を買い求める人が増えるとの思惑からニッセンなども急騰した。しかし、もっと根源的な影響は、科学技術立国である日本でこれが起こってしまったことのインパクトだろう。ペテン師・佐村河内守氏の件で日本の現代音楽が世界の笑いものになっても誰も困らないが、科学技術研究の中枢でこのようなお笑い事件が起こったことは、日本の長期的な衰退を暗示しているように思えてならない。
小保方晴子

ノーベル賞候補とまで言われた小保方晴子ユニット・リーダーだが、最近は姿を見せなくなってしまった

【今週の数字】 平成25年度理化学研究所の予算 844億円 ノーベル化学賞を受賞した野依良治氏が理事長を務める理研は、我が国の自然科学研究の最高峰。5000名以上の研究員を抱え、昨年度は国から844億円もの予算を獲得 【藤沢数希氏】 欧米の研究機関にて博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身。ブログ「金融日記」は月間100万PV、ツイッターのフォロワーは8万人を超える。最新刊『外資系金融の終わり』が発売中
物理学研究者、投資銀行クオンツ・トレーダー職等を経て、作家・投資家。香港在住。著書に『外資系金融の終わり』『僕は愛を証明しようと思う』『コスパで考える学歴攻略法』などがある
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