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「STAP細胞捏造事件」が日本の科学技術研究に与える影響は?

ネイチャー誌で発表されたSTAP細胞論文から博士論文まで、小保方晴子氏のさまざまな剽窃や実験データの捏造が明るみに出た。物理学の博士号を持ち、かつては研究者だった藤沢数希氏が、「STAP細胞捏造事件」が日本の科学技術研究に与える影響を語る

◆STAP細胞捏造事件で世界中の笑いものに。日本の科学技術研究の中枢で起きた不祥事が暗示するもの (人気ブログ「金融日記」管理人 藤沢数希氏)

藤沢数希氏 1月末、理研の小保方晴子研究員は、細胞に酸で刺激を与えるだけでSTAP細胞という新型万能細胞が作れると発表した。これはすでに開発されていたES細胞やiPS細胞の欠点がなく、しかも簡単に作れるという画期的なものだった。万能細胞というのは何にでもなれる細胞である。将来的に人間の万能細胞を簡単に作る方法がわかり研究が進めば、イモリが切れた脚を丸ごと再生できるように、あらゆるケガや病気の根本的な治療法が確立できる。この世紀の大発見に世界中が注目した。

 さらにこの偉業を成し遂げたのは可愛らしい若い女性だった。日本中に割烹着のリケジョ「小保方晴子」旋風が吹き荒れたのだ。

 ところが、世界中の研究機関が、発表された方法でSTAP細胞を作ることを試みたがすべて失敗。国内外の研究者から論文のさまざまな矛盾点や捏造を指摘され始めた。決定的だったのは、論文の中の重要な写真が、別の実験の使い回しであることなどが発覚し、共著者の若山照彦教授(小保方氏から受け取ったSTAP細胞の万能性の検証に協力)が「STAP細胞が存在するのか確信がなくなった」と発言したことだ。

◆なぜ彼女は平然と振る舞っていられたのか

 僕自身、物理学で博士号を取得し、金融機関に就職する前は研究者だった。だから、数々の実験データの捏造が発覚した後に、小保方氏がニコニコとテレビで受け答えをしていた姿を見返して戦慄を覚えた。こんな捏造は確実にバレる。そしたら大変なことになるのは目に見えている。なぜあそこまで彼女は平然と振る舞っていられたのか?

 僕の疑問は2ちゃんねらーたちの執拗なまでの小保方晴子研究によって、すぐに氷解した。彼女は理研理事長の野依良治氏が言うように「責任感に乏しい」、研究者とも言えない人物であった可能性が高い。博士論文はコピペが多用され体をなしておらず、誰にも読まれないまま通っていた。早稲田大学の責任である。理研に就任した時点で大した研究業績はなく、その業績にもデータの捏造が発覚した。彼女は、理系女子大生が実験リポートをコピペと切り貼りで書いて単位をうまいこと取るぐらいの感覚で重大な実験結果を創作し、それらを共同研究者に渡していたのだ。軽薄なリケジョそのものだ。だから特に罪悪感を覚えておらず、その重大性も理解していなかったので、あれほど平然と振る舞っていられたのだ。情実人事を行った理研の責任は免れない。

⇒【後編】に続く
http://nikkan-spa.jp/617018


【藤沢数希氏】
欧米の研究機関にて博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身。ブログ「金融日記」は月間100万PV、ツイッターのフォロワーは8万人を超える。最新刊『外資系金融の終わり』が発売中

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