マイナースタートの松坂、メジャー昇格があるとすればいつ?
球団の台所事情もあってメジャー昇格か自由契約かの判断を留保され、結局マイナースタートになってしまったメッツの松坂大輔選手。
※なぜそのような判断になったのかは前編「開幕マイナースタートの松坂はなぜメジャー組から外れたのか?」(https://nikkan-spa.jp/617223)をご覧ください。
せめて球団が3月25日の期限に「メジャー昇格or可能性が低いから自由契約」という決定をしてくれれば、松坂はチャンスを与えてくれる可能性の高い他球団に移籍する選択肢も考えることができたはずだ。
今季メジャーでは開幕直前に先発投手が故障をするケースが続出しており、先発ローテを組むことに四苦八苦しているチームが多い。
首を痛めて開幕で出遅れたダルビッシュ有が所属するレンジャーズは、ダルビッシュが復帰したとしても2番手以降のローテを組むのにも苦労する状況にあるし、ブレーブスはキャンプ中に先発の柱2人が肘靭帯を手術することになり今季絶望となったため先発の数が急遽足りなくなった。マリナーズも岩隈久志とタイワン・ウォーカーという計算していた2投手が開幕から故障離脱しており、レッズも先発エースのマット・ラトスが開幕を出遅れただけでなく先発5番手入りが確実だったブレット・マーシャルが指の怪我で長期離脱が確定した。
そんな中、例えばブレーブスは、3月24日にインディアンスから自由契約となったアーロン・ハラングを獲得して即メジャーの先発ローテに抜擢している。ハラングといえば、昨年8月末にマリナーズを自由契約となった後に松坂と同様、メッツと契約し9月4試合の登板で好投していたベテラン投手だ。
ハラングと同じような状況の松坂が3月25日までに自由契約になっていれば、他球団の先発ローテに入っていた可能性は十分にあったということだ。結局、メッツは松坂を開幕からメジャーで先発起用する可能性を常に匂わせながら、土壇場で松坂を「保険」としてマイナーに置いておくという結論を出した。球団の都合を優先したのだ。
それでは松坂は、いつメジャーに昇格できるのか。6年以上の経験があるベテラン選手がマイナーに留まっている場合、6月1日までにメジャーに昇格できなければ自由契約となり他球団に移籍することが可能になる。
しかし6月1日まで待つとなるとシーズンの3分の1が終わってしまうため、球団が選手本人に配慮し昇格させる可能性が低い場合は5月中の早い段階に通達することも多い。
メッツの現在の先発ローテにいつ何があるかわからないし急遽チャンスが巡ってくることがあるかもしれないが、このままいけば6月1日の期限までに昇格できない可能性もある。
松坂も今度は球団の都合に振り回されず、早めに球団の意思を確認し、自分自身にとってベストの選択をして欲しいものだ。
<取材・文/水次祥子>
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