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給与や地位で“報われない時代”に必要なものとは?

夢、仲間、絆、希望、笑顔、理想の自分――。ブラック企業に限らず、“ポエムな言葉”が盛り込まれた社歌を歌いながら体操したり、社員に駅前清掃を強要する企業も少なくない。こうした独自の規定を義務づけ、社員の労働意欲を引き出し洗脳しようとする「ポエム化する日本企業」の実態とは?

<ポエム擁護派>
◆報われない時代だからこそ、ポエムが広がるのは必然

伊庭正康氏

伊庭正康氏

「ポエムは大きく2つに分けられる」と話すのは、株式会社らしさラボ代表取締役の伊庭正康氏だ。

「一つは自分自身(I)や会社(WE)のために自分たちを鼓舞するポエム。もう一つは、彼ら(THEY)あるいは誰かのために役に立ちたいという理念的なポエム」と説明し、伊庭氏は「今の日本企業にポエムが蔓延するのは必然的なこと」と語る。

「努力をすれば給与や地位で報われる時代ならポエムは必要なかった。しかし、企業は給与や地位で報いることができない時代になり、代わりに心を満たしてあげる必要が出てきた。顧客や世の中のために仕事をする素晴らしさを明確にし、社員にも充足感を与えるインセンティブツールとしてポエムが広がっているのは必然なのです」

 これはなにもブラック企業に限ったことではなく、日本の構造的な問題だと指摘する。

「ブラック企業だからポエムがあるわけではないと思います。それにポエムは、歌を聴いて元気になるのと似ている。元気が出るならいいじゃないですか。逆に、もしポエムがなかったら離職率は上がり、企業は自転車操業状態で弱体化していくでしょうね」

ブラック企業, ポエム化 さらに伊庭氏は、「日本企業だけでなく、外資系企業のほうがポエム意識は強い」と続ける。

「外資には理念やビジョンを掲げた『クレド』がある。国籍や価値観の違う社員だから外資のほうが企業理念やクレドを大事にしているんですよ」

【伊庭正康氏】
株式会社らしさラボ代表取締役。企業向けに営業研修や講習などを年間260本行う。著書に『プレッシャーを味方にできる人、50の方法』(三笠書房)など

― [ポエム化する日本企業]急増中【6】 ―

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