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日本上陸! 3980円の「iTunes Match」は何が便利なのか?

 Appleが米国で2年半前から提供している「iTunes Match」という有料音楽サービスを日本で開始した。「iTunes Match」は、コンピュータ上の音楽ライブラリをiCloudにアップロードし、iPhoneなど複数のデバイスから再生できるサービスで、iTunes Storeで購入した楽曲だけでなく、CDから読み込んだ音楽ファイルまでも扱えることが特徴。

 最大2万5000曲(iTunes toreで購入した曲は除く)がiCloud上に保存できるので、ユーザーにとってはiPhoneなどのストレージ量に関係なくお気に入りの音楽ファイルが聞けるようになる。利用方法もシンプルで利便性が高く、「待ちに待った」という人も少なくないようだ。

◆シンプルな利用方法

iTunesMatch

iTunes Matchは3段階の処理がされる。操作は「開始」をクリックするだけ

 最新版のiTunesを起動して「Match」という項目をクリック。規約に同意してAppleIDで年間3980円の利用料金を支払えば、すぐに利用できる。自動的にiTunesからiCloudに音楽ファイルがアップロードされ、iPhone・iPadの設定から「iTunes Match」をオンにすればすぐに曲名などが表示されるのでスムーズだ。

 また、音楽ファイル全てがアップロードされるわけではない。ライブラリの音楽ファイルのなかに、「iTunes Store」で配信中の曲があればアップロードされず、高音質な256kbpsのAACファイルに置き換えられ、iPhoneから同一曲を聞くことができるのだ。もし持っているファイルが低音質のファイルだった場合は、ついでに高音質ファイルに置き換えられる。

 アップロードや同期時間の短縮、高音質ファイルへの置き換えというのはユーザーにとってメリットだろう。3700万曲を超える「iTunes Store」であれば、かなりの曲が置き換えられそうだ。実際に記者も使ってみると、ライブラリ中の44%にあたる2651曲がマッチし、10年前にMP3化した音楽ファイルたちも見事に高音質化した。

◆最初のアップロード時間は要覚悟

 ただし、不便な点もある。iCloudに保存できる曲数は最大2万5000曲だが、現時点ではプレイリストを選択して同期するオプションなどは用意されておらず、最大曲数を超えている場合はサービスを利用できない。音楽好きであればあるほど「使えない」のである。

 さらに、音楽ライブラリと「iTunes Store」配信曲のマッチングはズムーズだが、その他の曲のアップロードが遅い。さらには、アップロード中に何の表示もなく停止してしまった。開始直後でアクセスが集中しているのかもしれないが、アメリカでのサービス利用時に1万曲の同期に30時間かかったという報告もある。ノートPCから利用する場合は、十分な時間がある時に作業した方が良さそうだ。

 年間3980円という利用料も決して安いとは言えず、ユーザーにとってはハードルかもしれない。

 米国での「iTunes Match」サービス開始後、日本では権利関係から提供されないのでは囁かれていた。しかし、それでも日本でもスタートすることになった。

 今夏にはスウェーデン発の定額配信サービス「Spotify」(スポティファイ)が日本上陸予定といった動きもあり、今後、日本でも音楽の購買スタイルが大きく変わっていくかもしれない。 <取材・文/林健太>




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