家電量販店にやってくる面倒なお客様たち
「お客様は神様です」なんてあまりにも有名な言葉もあるが、かといって客は店員に威張り倒していいわけではない。「知らぬ間に自分もしているかもしれない」という自戒の念も込め、さまざまな接客シーンでの客のウザ自慢を集めた。
◆博識のふり自慢【家電量販店】
家電量販店の店員たちも、日々客の自慢話に悩まされている。大手家電量販店のカメラ売り場を担当しているSさん(男性・36歳)は、「ほぼ毎週、いらっしゃる面倒なお客様がいるんです」とこぼす。
「肩から一眼レフカメラをぶら下げて、交換レンズコーナーをうろうろ。僕ら店員を捕まえては、『Fは高いといいよね。いいレンズ売ってるね。僕はカメラマンだからわかるよ』などと絡んでくる。
ですが、そもそもFは絞りの数値のことなんですが、数値は低ければ低いほど明るくていいレンズなのが常識で、その客の言っていることは見当違いにもほどがある。キヤノンとニコンの違いもわかってないし、ぶら下げているカメラは初心者用の入門機ですから……。プロぶって半端な知識をひけらかしにくる客は本当に迷惑ですね」
カメラのような専門知識が求められる売り場だけではない。冷蔵庫売り場を担当するOさん(26歳)は言う。
「『結婚するから大きな冷蔵庫が必要なの』と言う女性客がいるんです。でも、彼女はでっぷり太っていて髪もボサボサで、失礼ですがとても結婚できるとは思えない。なのに、『旦那は高給取りだからいい冷蔵庫が』って。ここ2年くらい毎月のように来るので、自慢話にウンザリを通り越してかわいそうにすら思えてきちゃいました」
どんな客にも丁寧かつ真摯に対応してくれる家電量販店。だからこそ、“かわいそうな人”が相手をしてくれる人を求めてやってきてしまうのかもしれない。
★プロ気取りでカメラ専門の店員を呼び出して論破……できてないですから!
イラスト/ミラクル沼尾
― 接客業[お客のこんな自慢話]がウザい!【9】 ―
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