【MLB再昇格】ジョーク連発のムネリンが「神妙な顔」を見せたワケ

MLB日本公式サイト

MLB日本公式サイトより

 ブルージェイズのムネリンこと川崎宗則内野手が6月17日にメジャー再昇格を果たした。それがなんとニューヨークでイチローのいるヤンキースとの3連戦が始まる日であり、なおかつ初戦は07年から11年まで同じパ・リーグで何度も対戦してきた田中将大投手が登板する日。  早出練習の場でイチローとの劇的な再会を果たしたムネリンは、囲み取材の記者に軽妙なトークを披露していた。以下、クラブハウスでの記者団とムネリンのやり取りを紹介しよう。 ※早出練習でのイチローとの再会については
⇒【前編】https://nikkan-spa.jp/666546
――久しぶりに田中将大投手と対戦してどうでした? 「マー君は1年目の07年からずっと知っているんですけど、今年2014年のマー君は良いなと思います。毎年良くなっていく。14年田中将大バージョンはすごいなと。あんなピッチャー、見たことないですね。ダルビッシュとマー君どっちがいいかって言ったら、ダルビッシュがいいですね。ダルビッシュと黒田さんどっちがいいかっていったら、黒田さんがいいですね。これはやっぱりそうだと思います」 ――マー君は日本時代と比べてどこが良くなっている? 「最初の(田中投手の登場ソングの)ももクロの曲が、新曲だったっていうこと。オレ知らなかった、あの曲を。古い曲しか知らなくて、新曲だったから、そこが敗因かなと本気で考えてる。本当に知らなかった、あんな新曲を出したなんて。やられた。ノレなかったもん。それが一番の敗因」 ――今日はヒットが出なかったですが。 「残念でした。今日はやられたけど、明日はやり返す気持ちで。調子は、悪いことはないんで。最後の打席で1本出てないんで、1本出て明日の試合に臨むのが一番良かったけど、出なかったから、明日は最悪の状態で臨むでしょうね」 ――最悪の状態ですか。 「いや、まあそんなわけないですね。1本出ようが出まいが、明日は明日の風が吹く」 ――試合後に肩をアイシングしていましたが? 「肩は骨折してて。肩の肩甲骨が」 ――えっ、骨折!? 「ウソ。ケアです」 ――ケアですか。 「そういうのをしていかないと。今まではそんなのは全然興味がなかったけど、今年はちょっとそういうことも頭に入れて。シーエーアールイー(CARE)、ケアー。ケアの部分に興味を持って、今年はいこうかなと思ってるんで」  ムネリンの面白トークは、そんなぐあいだった。  だが、どうして体のケアを真剣に考えるようになったのかと尋ねると、再び神妙な顔を見せ、こんなことを明かす。 「やっぱり子供ができて育てないといけないし、僕が死ぬわけにいかないと思って、いろいろ体のことに気を遣うようになった。今までと大いに違いますね。自分だけの人生だったらいいんだけど、子供がちっちゃくて可愛いからね。死ぬわけにはいかないと」  肩をアイシングすることと生命が直接的に関係するかどうかという素朴な疑問は置いておいて、さまざまな横顔を見せてくれるムネリンはやはり不思議な魅力のある選手。今季もムネリン旋風で周囲を盛り上げてくれることは間違いない。 <取材・文/水次祥子>
おすすめ記事