更新日:2014年06月22日 09:42
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メジャー再昇格したムネリン、「イチロー愛」が再び奇跡を呼んだ

MLB日本公式サイト

MLB日本公式サイトより

 イチローラブも、ここまでくるともう奇跡というしかない。  ブルージェイズ川崎宗則内野手が6月17日にメジャー再昇格を果たしたが、それがなんとニューヨークでイチローのいるヤンキースとの3連戦が始まる日。その初戦は、07年から11年まで同じパ・リーグで何度も対戦してきた田中将大投手が登板する日でもあった。  ブルージェイズとヤンキースは同リーグの同地区ライバル同士で、このカードが1シーズンに15試合組まれている。同地区ライバルとの対戦は、カードによってはすでに多くの試合を消化しているものもあるが、ブルージェイズとヤンキースの対戦は、15試合中まだ3試合しか消化しておらず、対戦がたっぷり残っていた。何というグッドタイミングだろうか。  川崎は昨季初昇格したときも、ヤンキースとの対戦が始まる1週間前というタイミングだった。なぜか必ず憧れのイチローと再会できるような巡り合わせになっているというわけで、これもムネリンパワーというものなのだろうか。  ヤンキースタジアムではその日、イチローが午後3時からの早出練習に参加していた。数人のチームメイトとグラウンドのケージで打撃練習をしていると、反対側のクラブハウスからやや珍妙なスタイルをした選手が現れた。ブルージェイズカラーの青色のTシャツを着て、ビジター用ユニフォームのズボンをクラシックスタイルではき、背中にリュックを背負ってソフトモヒカンのヘアスタイル。まさにそれが、メジャーに昇格したての川崎だった。  ひょっこりと現われた川崎は、ケージの脇にいるイチローのもとへ真っ直ぐ歩いていくと、礼儀正しい仕草であいさつをし、今季限りで引退するヤンキースキャプテンのデレク・ジーターらとも言葉を交わした。それから川崎は正座をして芝生の上に座り、イチローと15分近く話し込んだ。オフの間に一緒に自主トレをしてはいるが、シーズン中に会うのは昨年9月19日のトロントで行われたヤンキース戦以来だ。今季は4月中旬に1度昇格したが数日で再びマイナーに戻っており、イチローと再会できたのはシーズン開幕から2カ月半経ってようやくだった。  イチローが打撃練習をする合間に積もる話に花を咲かせた川崎の表情は、うれしそうというよりは神妙だった。イチローの練習が終わると同時にビジターのクラブハウスに戻っていった川崎は、途中で報道陣に声をかけられると、 「良さそうですね、すごく」と言った。イチローの打撃を見た感想だった。久々の再会について聞かれると、 「そうですね。この前上がったときは会えなかったんで、今日は久々に会いました。元気そうでした。いろいろ話をしました。込み入った話を。去年、円形(脱毛症)ができたので、それだけ心配されました。大丈夫かと、まだ今のところ大丈夫です」と明かした。  念願のイチローとの再会は、どこか“厳か”な雰囲気を醸し出していた。  後編では、普段と同様、いや普段以上にパワーアップし、口を開けばジョークが炸裂する捧腹絶倒のクラブハウストークを紹介する。 ⇒【後編】ジョーク連発のムネリンが「神妙な顔」を見せたワケ
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<取材・文/水次祥子>
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