8000万円のベンツ。燃費も驚きのリッター約2km
メルセデス・ベンツのGクラスは、’79年に発売されて以来、基本的なスタイリングや堅牢なボディはそのままながら、中身には常に最新技術が投入され続け、今年で35年を迎える。そんな不滅の人気を誇るGクラスに、特殊車両技術を投入した究極の一台“G63AMG6×6”が登場。見た目も価格も超弩級。怪物マシンに富士山の特設コースで乗ってきました
西村直人=文 Text by Nishimura Naoto
池之平昌信=撮影 Photographs by Ikenohira Masanobu
◆何もかもが超弩級!!お値段8000万円のモンスターマシンに乗ってみた【後編】
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本領発揮はむき出しの岩場を駆け上がる瞬間だ。
助手席に座っているとほとんど空しか見えない急斜面ながら、タイヤの空気圧を低くして(乗用車の4分の1程度)、タイヤの接地面積を約3倍にまで増やすことで、6つのタイヤのゴムが岩場と密着し、巨体がぐんぐん前へと進む。
写真は、まさにその瞬間を捉えたものだが、乗っていると非常に乗り心地が良くて揺れが少なく、とても荒れた道を走っているとは思えない。
燃費はリッター2km程度だが、この走破性と乗り心地は、軍用車にしておくのがもったいないくらいだ。
このG63AMG6×6の日本への割り当ては今年5台。8000万円もするので簡単には買えないが、新しく発売されたGLAクラスなら手が届くだろう。
GLAは、ここのところ世界中の自動車メーカーから発売されているコンパクトサイズのSUVで、「4マチック」と呼ばれる4WDモデルもラインアップするメルセデス・ベンツ入魂の一作だ。
一見するとライトテイストな見た目だが、オフロードでの走りは本格派。大きな凸凹で構成されたモーグル路面では、対角する2輪が完全に宙に浮いてしまっても残りの2輪がしっかりと駆動力を伝えてくれるため難なく走りきることができる。
モンスターマシンであるG63AMG6×6と同じ場所で行われた、GLAのオフロード試乗で、その悪路走破性能の高さを確認できた。
このGLAが搭載するエンジンは2つ。1つは、なにかと話題の日産スカイラインに新しく設定された2リッターターボエンジンと基本を同じくする4気筒で、もう1つは、流行のダウンサイジングターボの1.6リッターだ。
試乗したのは2リッターのGLA250の4マチックモデル(459万円)だが、1.6リッターのGLA180なら344万円と、非常に現実的なプライスだ。
なんでも某自動車メーカーから、メルセデスに対して「その値段は安すぎるのでやめてください」と悲鳴に近い電話があったというくらい。そのお買い得度は推して知るべしか。
【結論】
G63AMG6×6の割り当ては、アジアでは日本だけ。都心の高級マンション並みのモンスターマシンを買うのはどんな人? 今年分の生産は5台だが8月末までに申し込めば来年生産してくれるそうです
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