日本人の預金・税金が米軍の爆弾に変わっている!?
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昨年度の日本の米国債保有残高は1兆1000億ドル(110兆円)以上。2007年度に6109億ドルだったのに比べると、2倍近くに増えている。恵泉女学園大学の高橋清貴教授は「ODA(政府開発援助)も軍事に使われる可能性が広がる」と危惧する。
「現在、政府はODA大綱の改訂作業をしています。これまで民生用に限ってきたODAの使い道を軍需にも広げる方向が打ち出されています」
ただ、これまでも“例外”として軍需に流れてきた例はあるという。
「’06年、安倍首相が官房長官時代、その“例外”を認める官房長官談話を発表しています。その後、インドネシアに巡視艇を3隻供与したのをはじめ、複数の“例外”がこれまでも認められてきました。今後はそれが“例外”でなくなるだけではありません。外務省は、『誰が使うか』ではなく『何の目的で使うか』で供与を判断すると言います。例えばある国の軍隊に災害救助目的で強襲揚陸艇を供与したところ、それが戦闘時に上陸作戦に転用されるなど、懸念は尽きません」
では自分のおカネが戦争に使われないようにするには、どうすればよいのか。複数の識者は、“社会責任投資”という考え方がカギだと指摘する。
「ベルギーでは、人道的兵器に加担しない金融システム構築のため、地雷やクラスター爆弾などの生産に関わる企業への投資を法律で禁じました。その結果、国内の大手銀行が兵器製造企業への直接的な金融をやめています」(藤井氏)
オランダでは、同じ考え方から「バンクワイザー」(賢い預金)というウェブサイトが作られている。このサイトは、自分が解決したい社会問題と、投資したいと思う業種を選ぶことで、自分の社会的関心にあった銀行をマッチングしくれるものだ。日本でも、「A SEED JAPAN」というNGOが同様の仕組みを作ろうしている。
ODA改革ネットワーク世話人の神田浩史氏は、預金先についてこうアドバイスする。
「例えば労働金庫(ろうきん)は、国債を買わず、地域におカネが回るような運用をしています。そういう金融機関に預金すれば、自分のおカネは戦争には使われず、むしろ地域の活性化につながります。NPOバンクなど、使い方がはっきりしている組織に投資するのも有効です」
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「私たちの銀行預金や税金は、回りまわって米軍の爆弾となり、今もイラクに降り注いでいます」と指摘するのは、九州国際大学の藤井大輔准教授。
「ゆうちょ銀行を含む大手銀行は、“安全運用”という名のもとに日本国債を購入します。それを原資に、政府は米国債を大量に買い付けます。それを元手にして、莫大な戦費に苦しんでいるアメリカは武器・弾薬を買い、戦争に使うというわけです。銀行だけでなく、かんぽ生命や国民年金なども同様。昨年からの日銀の“異次元緩和”で、大量に米ドルが買われました。それでダブついたドルを運用するため、米国債を大量に購入しています。つまり日本はアメリカの戦費を買い支えているようなものなのです」(藤井准教授)
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