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「不安で眠れません」逮捕に怯えるオンラインカジノ利用者…なぜ今になって摘発ラッシュが?

 オンラインカジノ客の摘発が増え、ヘビーユーザーたちが逮捕の可能性に震えている――。かつては大手メディアでさえ大々的に広告を打っていたものが、今になって逮捕者続出の背景とは? その真相に迫る!

「捕まったら人生終わる」利用者の告白

[オンカジ逮捕者続出!]の真相

「パチンコや麻雀などと同じで、オンラインカジノもグレーだと思っていた。いつ警察が来るかと日々おびえています」と話す林さん

 今年に入り、有名人のオンラインカジノによるトラブルが相次いでいる。1月には五輪メダリストの丹羽孝希選手が書類送検され、2月も吉本興業に所属する芸人が事情聴取を受け活動自粛を発表。 「ニュースを見て、自分も逮捕されるんじゃないかと不安で夜も眠れません」  そう話すのは、関東で会計事務所を経営している林洋介さん(仮名・35歳)だ。 「もともと韓国やマカオで“リアル”カジノを楽しんでいましたが、コロナ禍で海外に行けず、世間体的にも国内のパチンコすら行けない状況に。そんなときCMで『ベラジョン』というオンラインカジノを知り、すぐに飛びつきました」  射幸心を煽るサイトの作りに加え、24時間アクセスできる手軽さから、林さんは依存状態に陥った。 「これまで累計20万ドルほど投入し、一度に1万ドルベットすることも。オンライカジノの多くは海外では合法サイトですが、日本からの送金は難しく決済代行業者を使います。SNSなどで業者に連絡すると、振り込み期限と口座を伝えられるので、入金したい額を振り込みます。すると5分と空かずにオンラインカジノのキャッシャー(口座)に入金分のポイントが反映される。正直、プレイで勝ったときよりも、振り込んだカネが反映された瞬間のほうが気持ちがいいですね」

決済代行業者から芋づる式に逮捕

[オンカジ逮捕者続出!]の真相

「ベラジョン」のトップ画面。林さんは初回無料特典につられ登録した

 オンラインカジノは日本ではグレーと知りつつ、自分が摘発の対象になるとは思っていなかったと語る林さん。 「逮捕されて名前が報道されたら、僕は一気に社会的地位を失うでしょう」と震える。  そもそも、今になってオンラインカジノの摘発が進んでいるのはなぜか。カギとなったのが、林さんも利用していた決済代行業者だ。  事情に詳しい週刊誌記者のA氏は語る。 「転機は’22年に山口県阿武町がコロナ給付金を誤って個人に送金した事件。逮捕された田口容疑者は、誤送金された給付金のほとんどをオンラインカジノの決済代行業者に送金していました。オンラインカジノのユーザーの多くは自身の口座から決済代行業者へカネを振り込んでいるので、そこを取り締まれば、履歴をもとに利用者を特定することができる。この事実に警察も気がついたのでしょう」
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日本人の2.8%が“オンカジ”利用との推計も
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