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「愛犬を盗まれた!」ペット連れ去りの恐怖。高額品種は“違法ブリーダー”に転売されることも

 SNSでは頻繁に飼い犬や猫を捜す投稿があるが、その中には脱走ではなく、「犬を盗まれた」と主張するものが多数ある。果たして、本当にペットの盗難が起きているのか? 誰がどんな目的で盗むのか? 被害者の証言を集めた。

「散歩中に犬の強盗に遭った!」真冬の北海道を回遊する謎の車

多発する[ペット連れ去り]の恐怖

「北海道犬」という珍しい犬種を飼っている木島さん

 ここ最近、ペット愛好家たちの間で、ペットの盗難を注意喚起するSNSの投稿が相次いでいるという。  そうした投稿を目にしていたものの、「自分の身に起きるわけがない」と他人事だった北海道在住の木島裕也さん(仮名・43歳)。しかし、彼はその怖さに直面することになる。 「1月下旬のある日、街灯のない真っ暗な川沿いの道を散歩していたんです。そうしたら向かい側から黒のプリウスが走ってきて、通り過ぎたあとUターンして僕たちの前に。車から2人の外国人風の男女が降りてくると、一人は犬をなでるそぶりをし、もう一人は僕に話しかけてきました。会話に僕が気を取られているうちに、犬の近くにいたヤツが犬の首元を掴んで連れ去ろうとしたんです」  とっさにリードを引っ張って抵抗すると「もう一人が僕に折りたたみナイフで切りつけてきた」という。 「思わず膝を上げたら、相手の懐に入ったようで、諦めて車で逃走していきました」  幸いにもナイフは木島さんの服をかすめただけで、犬ともに無傷だった。

事件後、愛犬に変化が起きてしまった

多発する[ペット連れ去り]の恐怖

事件時に木島さんが着用していたポロシャツにはざっくりと切られた跡が

「すぐに警察に出向いたんですが、車のナンバープレートがわからなかったので『証拠不十分だ』と。『犬が盗まれたり、人が刺されて亡くなったりしない限り動けない』とまで言ってきたので、あまりの対応に頭にきました」  木島さんの妻がこのことをSNSに投稿すると、意外な情報を得ることになった。 「フォロワーさんから、道内で黒いプリウスに乗ったアジア人による窃盗や詐欺事件が複数起きていると教えてもらったんです。僕を襲った犯人らは外国の言葉でしゃべっていたので、同じ人だった可能性はあるのかなと。事件後、犬は首まわりを触られるのが極端に苦手になったり、夜中に遠吠えをしたりと、トラウマと思える行動をとるようになってしまった。夜道の散歩は複数人で行くようになったし、犬にGPSをつけることも検討しています」
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ケージを洗う10分の隙に愛犬が消えた
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