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氷川きよしの騒動でみる芸能人と示談の関係性

 不祥事を起こした際、重要なのはその後いかに事態を収束させるかだ。そんな「不祥事・危機対応」に関して、多くの企業などから相談を受ける長谷川裕雅弁護士が、世間を騒がすスキャンダルの数々を「危機対応力」という面から読み解く――。

【第七回 氷川きよしのマネジャー暴行事件】

氷川きよしの昭和の演歌名曲集

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 氷川きよしさんが、元マネジャーに暴行したとされる事件。氷川さんに対する法外な口止め料要求があったとのことです。暴行事件、元マネジャーによる恐喝未遂事件ともに書類送検され、ともに不起訴処分になる見通しのようです。暴行の被害者による恐喝は芸能界では多く、楽しんごさんも同様の事件でマネジャーとともに書類送検されました。

 口止め料ですが、氷川さんなら支払うだろうと思ったからこそ、1~2億円もの要求額になったのでしょう。もちろん裁判において、その類の金額を支払えとする判決は、到底くだりません。裁判外の解決金は一般的に、判決よりも高額になります。事件を早期解決するために、相場以上のお金を払ってもいいと考え、時間をお金で買うのです。

 まして芸能人などの人気商売は、スキャンダルが命取り。早期解決して報道リスクをつぶすことが先決です。原監督が女性問題で1億円の恐喝被害にあったのも、納得できます。

 氷川さんはすでに示談を成立させたとの情報もあります。この種の事件では通常、示談書に秘密保持条項を入れます。事件について口外せず、秘密を洩らした場合には違約金を支払うことを誓約し合うのです。

 示談成立後に週刊誌が事件を嗅ぎつけても、当事者が口を閉ざしてしまえば裏付け不十分で記事にはできない。たとえ記事にできても漠然とした「疑惑」にしかなりません。

 一部報道によると、捜査機関に対して氷川さんは暴行の事実を認めている。他方で氷川さん本人は暴行の事実を否定。本当のことが知りたいところですが、示談が成立している以上、これ以降は氷川さんが詳細を話すことはないでしょう。もっと早く示談を成立させていれば、事件そのものも明るみにはならなかったはずです。

 示談成立が確認できていない楽しんごさんの事件では、刑事処分の決定後も、関連事件の報道が続きました。楽しんごさんによると、事件以降、芸能の仕事がまったくなくなったとのことです。早期の示談成立は、報道を封じる最善の方法なのです。 <文/長谷川裕雅 構成/日刊SPA!取材班>

長谷川裕雅■長谷川裕雅(はせがわ・ひろまさ)■
東京弁護士法律事務所代表。朝日新聞記者を経て弁護士に転身。現在は政治家や芸能人のマスコミ対策を想定した不祥事・危機対応や、相続問題などにも取り組む。著書に『磯野家の相続』(すばる舎)、『なぜ酔った女性を口説くのは「非常に危険」なのか?』(プレジデント社)

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