レヴォーグの敵討ち!レクサスNXは欧州車に勝てるか?【後編】
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
約10年前に登場し、欧州を中心に広がりを見せるダウンサイジングターボ搭載車。そんなエンジン技術のトレンドに乗り遅れた日本でしたが、最近はスバルのレヴォーグなど、日本車でもダウンサイジングターボ搭載車がチラホラと。そんななか、ついに業界の巨人トヨタが動きました!
清水草一=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信=撮影 Photographs by Ikenohira Masanobu
◆レクサスがアウディに大勝利!日本のモノづくりの底力は健在でした
⇒【前編】はコチラ
では燃費はどうか。軽井沢周辺の空いた一般道をゆるゆる流して、レクサスNXがリッター13.9km、アウディQ3がリッター14.5km。さすがにボディサイズが違うので敗れはしたが、こっちも健闘だ。
ただエンジン単体で見ると、まだ物足りない部分がある。最大トルクの発生回転が、アウディは1250rpmからなのに対して、レクサスは1650rpmから。低ければ低いほどすばやい加速ができる理屈で、レクサスはこの劣った部分をトルコンATの制御などで補い、互角に持ち込んでいる。
おそらくドイツ勢は、この点を突いて「まだ我々の敵ではない」と言うだろう。ATに関しても、あっちはより先進的なツインクラッチ。無念。トヨタの開発陣も、「タービンのレスポンスに関しては、まだ負けている部分はあります」と認めていた。
トヨタがダウンサイジングターボの開発に着手したのは、VWがそれを発売した直後の2005年。本腰を入れたのは2009年から。すでにライバルには膨大なデータとノウハウが蓄積されており、まだ完全に追い付くには至っていないのだ。
が、なにしろ加速と燃費は互角。カッコやインテリア、使い勝手を含めたクルマ全体の仕上がりでは、明らかにQ3に勝っている。しかも、ナビなど装備を同レベルに仕立てると、レクサスのほうが数十万円安い。
ついにレクサスがアウディに勝った! 初勝利!!
【結論】
レクサスNXは、レクサス史上もっともカッコよく、おもてなしに満ちた、非常に魅力的なモデルでございました。エンジンの頑張りもさることながら、全体としてレクサス車がこれほど良かったことはありません
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