メジャーリーグのトレンドは「スモールベースボール」へ
「今季のロイヤルズはチーム本塁打数がメジャー最少。一方でチーム盗塁数はメジャー最多という“超スモールベースボール”で躍進しました。青木宣親選手はまさに今年のロイヤルズを象徴した選手と言えろでしょう」
メジャーリーグ公式サイト・日本語版「MLB.jp」やメジャーリーグ専門誌『月刊スラッガー』でコラムを連載する内野宗治氏は、メジャーリーグのトレンドをこう分析する。
「MLBでは近年、得点数の減少傾向が続いています。’00年は1試合あたりの平均得点が5.14点ありましたが、今年は4.07点まで下がりました。極端な“投高打低”の原因のひとつはMLB機構による違反薬物規制の強化があると思います。さらに投球の軌道を解析するテクノロジーの進歩により、球審の判定基準が変化し、以前よりストライクゾーンが広がった影響もあると思います」
メジャー全体の得点力低下に伴い、以前よりさらに1点の重みが増した今シーズンは、盗塁や送りバントでひとつでも先の塁を奪う「スモールベースボール」の価値が相対的に高まった。
「ロイヤルズは、3番打者も送りバントをする野球で快進撃を見せました。青木やイチロー、川崎のように、長打はなくともスピードのある日本人野手は、今後、メジャーでより評価されるかもしれません」(内野氏)
神宮球場の最終戦には、消化試合にもかかわらず、今季ブレイクしたスワローズの山田哲人選手を食い入るように見つめるドジャースのスカウトの姿もあったよう。一発長打で魅了した松井秀喜氏の引退以降、日本人野手の存在感は薄れつつあったが、投高打低の傾向により、来季以降も日本人野手の評価は高そうだ。
取材・文/小島克典(スポーツカルチャー研究所/ゆるすぽweb編集長) イラスト/岡田航也
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