アプガ、陸上自衛隊に電撃入隊の一部始終
何から何まで異色すぎるアイドル・グループだ。「富士山頂でライブ」を行ったり、「2時間超のノンストップライブ」を敢行したりと、体力の限界に挑むような活動を展開するアップアップガールズ(仮)。強靭な肉体を手に入れようと、格闘家たちも絶大な信頼を寄せる名伯楽・足立光トレーナー(ボディプラント六本木代表)に師事しているのも、以前の記事「アップアップガールズ(仮)の筋トレに密着」でも紹介した通りである。
そんな彼女たちが今回挑んだ新たなミッションが、自衛隊での教練体験。日刊SPA!も栃木県の陸上自衛隊宇都宮駐屯地にお邪魔したところ、そこでは想像を絶する“ガチ”なトレーニングとライブが繰り広げられていた。
マイクロバスで敷地内に入る際、銃を構えた門番に敬礼されると身が引き締まる思いで敬礼を返す7人。いきなりの非日常空間に圧倒されるのも無理はない。最初から観光気分はゼロである。
まずは実際に自衛隊員に支給されているものと同じ迷彩作業服に着替える。佐藤綾乃は「工場で働いているマイルドヤンキーにしか見えない」と他のメンバーからからかわれていたが、そのままサーキット・トレーニングに挑戦。「腕立て×10回」「腹筋×10回」「ランジ×10回」「足上げ腹筋×10回」「バービー×5回」「背筋×10回」「ジャンプ×5回」の筋トレ・メニュー7種類を1セットとし、これを教官の「よし、やめ!」の声がかかるまで延々と繰り返していくのだ。
「声出していけよー!」「素早くやれ、素早く!」「(腕立てに対して)膝立ててやるな!」「(ジャンプで)しっかり足上げるんだよ!」
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ただでさえ体力的につらいのに、教官の檄で精神的にも追い込まれるメンバーたち。ちょっとでもフォームが乱れると、すぐさまやり直しさせられる。佐藤の顔からは玉の汗が拭き出し、古川小夏も奥歯を噛み締めて耳を真っ赤に。他のメンバーもゼーゼー肩で息をしており、完全にグロッキー状態だ。
「教官が隣で同じことをやっていますからね。しかも、めっちゃ早いんですよ。“1・2・3・4!”ってかけ声に急かされている気分で。ズルすることができなくて、とにかく最後まで必死でした」(森咲樹)
「終わりが見えないっていうのがつらいんです。今の時点で半分終わったのか、あと少しなのか、まったく予想がつかないので。特に腕立てのところでは、完全に心が折れかけました」(古川)
休憩時間を利用してコメントをもらっていると、メンバーは「はぁ、もう休憩も終わりかよ……」と壁にかかった時計を恨めしそうに眺めていた。
ここからは基本教練に入り、自衛隊式行進などをきびきびとした様子で学習。そして、ほふく前進の練習に突入する。自衛隊のほふく前進は第1から第5まで分かれているのだが、ここでは第4をセレクト。「意外と重い」と語るラバー製訓練銃を両手で構え、四つん這いで進んでいく。ほふく前進レースでは森が持ち前の負けじ魂を披露。他の6人をスピードで圧倒した。これで森は先日の「T-Palette感謝祭 2014」腕相撲大会でNo.1剛腕アイドルの座を奪取したのに続き、V2を達成した恰好である。
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厳しい訓練が続いたあとは、楽しい食事会が待っていた。けんちんうどんや自らもついた餅に舌鼓を打つと、自衛隊員たちと一緒にしばし歓談。なお、この日は行進中も「アップアップー!」と声がかかるなど、若い隊員から絶大な人気を誇っていた7人。
そして、いよいよライブだ。会場の体育館は約2000人の隊員たちでみっちり埋まっている。鼻息の荒い7人は、本番開始前から腕をぶした。
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「自衛隊のみなさんは普段から忙しいだろうから、アイドルなんてAKB48さんくらいしか知らないと思う。でも世の中には、AKBとは違って足をガバッて開いちゃう私たちみたいなアイドルもいるわけでね。AKBだけがアイドルじゃないってことを見せつけてやりますよ(ニヤリ)」(新井愛瞳)
「ファンの人たちに囲まれるワンマンライブとは、全然違うでしょうね。超アウェーな感じになるんじゃないかな。でもだからこそやりがいがあるし、うちらのことを知らなくても、最後は笑顔になってくれればいいなって思います」(関根梓)
14時35分、戦闘開始。『イチバンガールズ!』を皮切りに、ヘヴィ・チューンの絨毯爆撃を展開する。いつも通り、切羽詰まったような全力パフォーマンスを見せる7人。最初は遠巻きに様子を伺っていた隊員たちも、曲が進むにつれ身体を自然に揺らし始める。自己紹介では佐保明梨が得意の空手の型を披露。「イヤーッ!」と声を挙げながら正拳突きで締めると、隊員たちからは「ウオーッ!」という野太い歓声が挙がった。
「自衛隊のみなさんのおかげで、この平和な日本が守られていると思います! 本当に感謝しています! ありがとうございます!」(仙石みなみ)
「みなさんが一生懸命こうして日本を守ってくださっているので、私たちもアイドルとしていろんな人たちに元気を与えていきたいと改めて思いました。2015年、私たちは日本武道館という大きな場所を目指します! こうしてみなさんと一緒に戦えたのも運命だと思っています!」(佐藤)
隊員たちの好反応に気をよくしたメンバーは、途中からステージを降りて体育館の中を自由奔放に闊歩。盛り上がりは最高潮に達する。事務所の先輩にあたるモーニング娘。の『LOVEマシーン』を披露した際は、隊員たちもメンバーと一緒になってシュート・サイン(ラブマ・サイン)を天に突き上げる。いつでも自分たちは真剣勝負なのだということを互いにアピールした。
いつもと勝手が違う環境ではあったが、確実に手ごたえを感じていた7人。これを機に、2015年はさらにアップアップしていくことは間違いないだろう。
●アップアップガールズ(仮) オフィシャルサイト http://upupgirlskakkokari.com
<取材・文/日刊SPA!取材班>
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