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男が言う「女の話にはオチがない」という批判にイラッ

【週刊SPA!連載 痛男!(イタメン)】 ―『負け美女』のオトコ観察絵日記 犬山紙子 ― ◆「女の話にはオチがない」という批判はブーメラン! 痛男! 元旦は大阪で『論破王』という番組に出演した犬山です。この『論破王』、一つのお題に対して皆が互いに論破しあい、14人の中で一番論破できた論破王を決めるというもの。  犬山も最初、かしこいフリをして論破を頑張っていたのですが、決勝戦で「日本をよくするために蘇らせたい人物は?」というお題に「クレオパトラ」というアホ丸出しの答えを出してしまい「ハニートラップなんて今はもう通用しない」「そもそもクレオパトラが蘇ったところで、日本のために行動してくれるのか」とか、論破されまくってタジタジに……。  そして、優勝したのはいわゆる「かしこ」ではなく、おもしろさで場の空気を掴んだ矢野兵動の兵藤さん。論破にも相手を叩きのめすやり方と、北風と太陽みたいに場の空気を暖めてじんわり相手の心に入るやり方があるんだなと思いまして。結局、場を制するのは後者なんだな、ととてもよい勉強になったのでした。この番組、好評でもう4回目だったのですが、関東にも進出しないかなあと思っております。  さて、関西といえばオチのない話に異様に厳しい土地ですよね。そのせいか一般の人のエピソードトークもクオリティが高いことが多く、犬山もマッサージのおばちゃんの話にバカ受けしたところです。自分が話すことを考えるとしんどいけど、「誰に対しても平等に、オチのない話には厳しい」ので、それはそれでいいよなあと思うのです。  しかし、世の中には「女の話はオチがない」と、何故か「対女」でオチのなさを糾弾してくる男性が結構多いのも事実。  犬山の知り合いの、42歳既婚者のSさんがまさにそれ。「仕事で疲れて家に帰ってきてるのに、オチがない話を嫁がしてくるから余計疲れる。ほんと女ってヤツは……」みたいなことを言うわけです。それも、どこか嬉しそうな顔で。ああ、よく聞くやつだと思って、また「女の話にはオチがない」って話をされるのか……と思うと、どうも腹が立ってきましてね。
犬山紙子

犬山紙子

 いや、オチがない話をする人、多いですよ。でも、何を「自分はそうじゃない」って顔で高みに立ってるんだ?って、ちょっとイラッとしまして。「でもさあ、Sさんだって付き合うなら、自分よりおもしろい自己主張激しい女より、自分の話に笑ってくれる優しい女のほうがいいんでしょ?」とイヤミを言ってしまいました。  自分からわざわざ、おもしろい話をしない女を選んどいて、そのくせ「女の話にオチはない」って言うのは、そりゃそうなるだろって話なんですよね。  これ、「女は別れてもさっぱりしてるけど、男はねちっこいよね」という文句を、ねちっこい男としか付き合えない女が言ってるのと一緒です。女も男もねちっこいやつはねちっこいぞ! オチがないのも、男も女もお互い様! あと、その日がどんな日だったかの報告にオチを求めるな! そんな話にそもそもオチなんかない!  そして、嫁の話にオチがないと嘆いてるSさんですが、その話自体に特にオチはなく、ただ愚痴っているだけ。他人に「オチがない批判」をしたせいで、自分のトークのハードル上がっちゃってるよ!  ……もうちょっと意地悪して「で、オチは?」って聞いてやればよかった。いや、そんなことしたら私までオチを求められるから、言わなくてよかったか……。 【犬山紙子】 エッセイスト。単行本デビュー作『負け美女』(マガジンハウス)で注目を浴びる。著書に『高学歴男はなぜモテないのか』(扶桑社新書)ほか。MCを務める深夜バラエティ『BF会議』(テレ朝・毎週火曜)が放映中 ※「痛男!」は週刊SPA!にて好評連載中
高学歴男はなぜモテないのか

すべての男性に伝えたいコミュニケーション力のツボ

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