【犬山紙子コラム】ハイスペック男がボロを出す瞬間を見届けたい
なにかとイタい男たちを観察する週刊SPA!の人気連載『痛男!』の著者・犬山紙子氏が、話題の『バチェラー・ジャパン』シーズン2をウォッチ。もちろんターゲットは今回のバチェラー、小柳津林太郎だ。
「俺って陰か陽かで言うとめっちゃ陽、というか太陽発電所くらい」と曇り一つない笑顔で言ってのけるシーズン2のバチェラー、小柳津林太郎氏。この発言を聞いて「絶対仲良くなれない……」と思った陰属性の私ですが、一気に見てしまいました。
それは小柳津氏にほだされたとかではなく、「この人どっかでボロださねーかなー」という意地悪な目線が生まれたから。ルックスが良くて、学歴もあって、バスケが好きで、仕事もできて、お金がある彼は完璧でいつも笑っている印象。だからこそそんな人のボロが見たい。
『バチェラー・ジャパン』は女性同士(全員美女!もうちょっと多様性がある女性陣でも見てみたい)のバトルやいがみ合いがめちゃくちゃおもしろいのだけど、それよりも、彼がどういう言動をしていつ感情を出すのか?私が勝手にキラキラ系とレッテルを貼った相手は血の通った人間なのか?などなど設定以外の部分が知りたいのですが、彼は本当にボロを出さないのですよ!
男1人対20人の女性だなんて選民意識をくすぐる設定は、少しでも気が緩んだらおしまいです。「案外すぐボロを出すのでは」とタカをくくっていたのが外れました。きっと彼自身、女性たちに謙虚に接することをかなり意識していたのではないでしょうか。
彼はデートで2人になると手を繋いだり、腕を絡ませたり、ほっぺにキスをしたりとかなりスキンシップが多いのですが、それもボロというよりは「ああ、モテてきた人はそうだろうなあ」という感じがする。
ちなみに「モテるのでは?」という問いに「いや、でも僕は追いかけるタイプなので」とうまいこと話題をそらしていたのも、ああ、聞かれなれてるんだな~と感じる。
いい悪いという意味ではなく、彼というイメージにピッタリすぎて、全然パーソナリティを感じられないわけです。ホバーハンド※ とかしたことないんだろうなあ……。
※編集者注:イケてない男性が女性との写真撮影時にとってしまうポーズの俗称。女性にタッチすることを恐れ、肩や腰に触れる事ができず手を浮かしている状態
デートスポットだってそうです。ヘリだったり、クルージングだったり、イルカショーだったり、軽井沢だったり。まあこれは番組の趣旨もあると思うのであんまり言えないですが「世間で女性受けとしては評価が高いわけではないけれども俺はこれが好きなんだ」っていう部分があれば「ああ、この人は人間なんだなあ」と思える。
もしくはダサいエピソードとか語ってくれるのでもいい。ドン引きされるかもしれないけど、逆にすごいフックにもなり得ますもの。ゾンビ映画の話をえんえんとしてしまうとか、思春期ラッセンのポスターを部屋に飾っていたし今も好きだとか、うんこ拭いていたら手についてしまい、振り払おうと手を振っていたら指が便器に激突してその痛さで間違って指をくわえてしまったとか……。 もしかすると彼のような陽キャラ中の陽キャラは、好きなものがみな世間の評価が高いってことなのか。彼の趣味はバスケだけど、そういうことなのか……?黒歴史なんてないの?いやまさか。 彼が感情的になるシーンはもちろんあります。両親に自分の気持ちを強く伝えるためにスラングまじりの英語になってしまうのですが、それもまあ彼だったら英語出るよね、という。逆に女の子たちは本当に感情豊かで人間くさくてみんな好きになってしまう自分がいます……。 でも、20人の女の子たちは彼にぞっこんなんですよ。「林ちゃんはそのままの林ちゃんがいいんだよ」とか、私には全くわからない何かを彼女たちは感じとっている。彼自身彼女たちに「本当のリラックスした姿が見たい」と言い続けているけど、私はあなたの本当のリラックスした姿が見たいのですよ!
で、やっと彼の人間っぽいところを発見しました。それは沖縄なのですが、やっぱ沖縄の力は凄い。彼は水着美女たちにビーチフラッグ競技をやらせるんですよ。その時点で「え?」となるのですが、それに勝った人が「ご褒美」に自分とのデートがあるという。 彼が自分の口で「ご褒美」って言うんですよ。もうね「どこの貴族や!」と見ながら私は爆笑しつつ突っ込んでしまった。そう、彼にツッコミどころが生まれたのです。そういえば自分の汗をいっぱい吸ったユニフォームもご褒美として女子にあげてたわ。スターかよ!いや、ここではスターなんだけども。 そこから加速的に面白くなりました。女性たちもどことなく彼のダメなところも見抜いている感じもするのも楽しい。うん、彼も人間だわ。私たちと同じだ。 そして、女の子を落とさなきゃいけない時の彼の涙はマジだったし、その瞬間は彼を好きな女の子たちの気持ちが少し、本当にすっこーーーーーしだけわかった気がしたのでした。 水着の女の子たちに自分のデート権かけてビーチフラッグさせるのにはドン引きしたけど、やっぱり自分が俯瞰で見られる人の恋愛のゴタゴタほどおもしろいものはない。いつか男女逆バージョンも見てみたいなぁなんて思ったのです。 ――『バチェラー・ジャパン』シーズン2は現在6話まで配信中。犬山紙子にあっさり斬られた小柳津氏が見られるのはAmazonプライム・ビデオだけ。週末にまとめてガッツリ見よう! 「バチェラー・ジャパン」特集ページはこちらから。プライム・ビデオが初めての方にお得な、30日間の無料体験も実施中だ。 【犬山紙子】 エッセイスト。単行本デビュー作『負け美女』(マガジンハウス)で注目を浴びる。著書に『高学歴男はなぜモテないのか』(扶桑社新書)ほか。新刊『私、子ども欲しいかもしれない。』(平凡社)が発売中! <提供/アマゾン・ジャパン合同会社>
ついに予告編解禁!嫉妬、プライド、色仕掛け、裏切り…女の本性がむき出しになる、日本一ゴージャスで過酷な婚活サバイバル番組「#バチェラージャパン」。待望のシーズン2はいよいよ5/25(金)よりPrime Videoで独占配信スタート番組情報はこちら https://t.co/62JtdGKkIB #バチェラー pic.twitter.com/avtXpgFQiH
— バチェラー・ジャパン【公式】Amazon (@BachelorJapan) 2018年5月11日
もしくはダサいエピソードとか語ってくれるのでもいい。ドン引きされるかもしれないけど、逆にすごいフックにもなり得ますもの。ゾンビ映画の話をえんえんとしてしまうとか、思春期ラッセンのポスターを部屋に飾っていたし今も好きだとか、うんこ拭いていたら手についてしまい、振り払おうと手を振っていたら指が便器に激突してその痛さで間違って指をくわえてしまったとか……。 もしかすると彼のような陽キャラ中の陽キャラは、好きなものがみな世間の評価が高いってことなのか。彼の趣味はバスケだけど、そういうことなのか……?黒歴史なんてないの?いやまさか。 彼が感情的になるシーンはもちろんあります。両親に自分の気持ちを強く伝えるためにスラングまじりの英語になってしまうのですが、それもまあ彼だったら英語出るよね、という。逆に女の子たちは本当に感情豊かで人間くさくてみんな好きになってしまう自分がいます……。 でも、20人の女の子たちは彼にぞっこんなんですよ。「林ちゃんはそのままの林ちゃんがいいんだよ」とか、私には全くわからない何かを彼女たちは感じとっている。彼自身彼女たちに「本当のリラックスした姿が見たい」と言い続けているけど、私はあなたの本当のリラックスした姿が見たいのですよ!
【2代目バチェラー】
— バチェラー・ジャパン【公式】Amazon (@BachelorJapan) 2017年12月14日
IT企業幹部 #小柳津林太郎(35)
「怖いって思うことに関しては、本当の愛を見つける前に死ぬことかなと。どこまで行っても追いかけたいタイプなので、すごいなって思う女性は男性に来させる女性っていうか、そういう人にはまっていっちゃう事が多かったりする」 pic.twitter.com/gPygEOErzB
で、やっと彼の人間っぽいところを発見しました。それは沖縄なのですが、やっぱ沖縄の力は凄い。彼は水着美女たちにビーチフラッグ競技をやらせるんですよ。その時点で「え?」となるのですが、それに勝った人が「ご褒美」に自分とのデートがあるという。 彼が自分の口で「ご褒美」って言うんですよ。もうね「どこの貴族や!」と見ながら私は爆笑しつつ突っ込んでしまった。そう、彼にツッコミどころが生まれたのです。そういえば自分の汗をいっぱい吸ったユニフォームもご褒美として女子にあげてたわ。スターかよ!いや、ここではスターなんだけども。 そこから加速的に面白くなりました。女性たちもどことなく彼のダメなところも見抜いている感じもするのも楽しい。うん、彼も人間だわ。私たちと同じだ。 そして、女の子を落とさなきゃいけない時の彼の涙はマジだったし、その瞬間は彼を好きな女の子たちの気持ちが少し、本当にすっこーーーーーしだけわかった気がしたのでした。 水着の女の子たちに自分のデート権かけてビーチフラッグさせるのにはドン引きしたけど、やっぱり自分が俯瞰で見られる人の恋愛のゴタゴタほどおもしろいものはない。いつか男女逆バージョンも見てみたいなぁなんて思ったのです。 ――『バチェラー・ジャパン』シーズン2は現在6話まで配信中。犬山紙子にあっさり斬られた小柳津氏が見られるのはAmazonプライム・ビデオだけ。週末にまとめてガッツリ見よう! 「バチェラー・ジャパン」特集ページはこちらから。プライム・ビデオが初めての方にお得な、30日間の無料体験も実施中だ。 【犬山紙子】 エッセイスト。単行本デビュー作『負け美女』(マガジンハウス)で注目を浴びる。著書に『高学歴男はなぜモテないのか』(扶桑社新書)ほか。新刊『私、子ども欲しいかもしれない。』(平凡社)が発売中! <提供/アマゾン・ジャパン合同会社>
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