新婦が結婚式場にクレーム「写真がブスに写っていて気に入らない!」
謝罪、土下座、返品・交換しろ……巷に溢れるクレームは玉石混交。それは、思いもよらない発想で投げかけられることも。さまざまな業種に寄せられる、客の数々の言い分は「許せる」範囲か否か? 受け手の目線で検証してみた!
<サービス業>
すべてのサービス業の正解は、いつだってお客様の中にある――。漫画『バーテンダー』の台詞だがいい意味でも悪い意味でも真理だ。
【トリマー】
「“毛玉取り”は『犬がかわいそう』と言われた」(27歳・女)というクレームは理不尽に感じるかと思いきや、「普段当たり前に思っていることも人によって感じ方が違う、と考えさせられた」と許すトリマーだが、「飼い主さんから『短く』と言われたので、店では一般的な1cm残しの長さでカットしたら『短すぎる!』と怒られた」(27歳・女)となると、最初から具体的な長さを言えとキレたくもなるようだ。
【冠婚葬祭】
あるいは、結婚式場での「写真がブスに写っていて気に入らない!」というクレーム。
「『いや、見たままですよ』とも言えず、かなり修整をしたら満足いただけましたが、もはや別人……」(42歳・男)と、周囲には理不尽だろうが、このへんは慣れたもの。納得ずくで修整可能。
逆に「最近はキラキラネームのカップルや参列者が多く、司会者の名前の呼び間違いに関するクレームが多い」(40歳・女)ことに関しては、「確認しておくべきだった」と言いつつも「内心では、文句を言うのならご両親に、と言いたい」と怒りも収まらなかった様子。
一方、葬儀の場では「精進落としの料理が冷めていておいしくない!」という場所にそぐわぬ苦情。「こちらは予定の時間通りに出しているのに、挨拶が長すぎて冷めてしまったんです」と「許せない」に一票。その半面、「故人の生前のVTRをBGM付きで流す演出に、参列者から『いかにも泣いてという感じがあざとい!』と苦情。確かに我ら『泣かせてナンボ』ですから!」(38歳・男)と、図星のクレームは認めざるを得ないのである。
【公務員】
「水道管の工事に立ち会った際、現場近くのおばちゃんが『この市はなんでこんなに水道代が高いん? こんなんやったら家の前の川に水汲みに行ったほうがええわ』とまくしたてられた」(42歳・男)件では、「じゃあ解約して水汲みしてくれや!」と怒り心頭。
「市民課の同期は『仕事中にネットしてるでしょ!』と、女性から湯飲み茶碗を投げつけられた。窓口の端末にたまたま天気予報の画面が出ていたようで……」(39歳・女)とはさすがに許せないかと思いきや、「公務員=税金ドロボーという先入観で文句を言われるのは悲しい」と怒りを通り越して悲しみに打ちひしがれる人も。
「公僕」なれど、下僕にあらずという心の叫びが聞こえてくる!?
イラスト/花小金井正幸
― 店員が告白した[許せる/許せない]クレームの境界線【3】 ―
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