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今年一番ホームランが多い球場は? 激増したのはあの球場だった

 プロ野球を観戦していると、誰しも期待してしまうのがホームラン。その華やかさと豪快さに心を打たれるファンは多いだろう。7月17日、18日には年に一度の球宴「マツダオールスターゲーム2015」が開催され、そこでのド派手な「ホームランダービー」を楽しみにしている人もいるのではないだろうか。

ヤフオク!ドーム パ・リーグの本塁打王争いは、ともに21号で並ぶ西武・中村剛也と日本ハム・中田翔による“大阪桐蔭対決”が繰り広げられており、そこにソフトバンク・松田宣浩が20号で追随する。西武の森友哉を含めると、本塁打数10傑の日本人選手6人のうち3人が大阪桐蔭の出身だ。一方のセ・リーグは、ヤクルトの畠山和洋と山田哲人が1、2位をキープしている。そしてDeNAのロペスと筒香嘉智が続く。7年ぶりの和製本塁打王の誕生に、多くの人が期待に胸を膨らませるだろう。

 今回は、どこの球場へ行けば鮮やかなアーチが見られるのか? を検証すべく、シーズン折り返し地点で球場別の本塁打数を集計した。結果は以下の通り。

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●プロ野球 2015年度 球場別 ホームラン数
[セ・リーグ:273本、パ・リーグ:345本]


・福岡ヤフオク!ドーム:79本(18→59→79)
・西武プリンスドーム:67本(17→45→67)
・横浜スタジアム:61本(14→37→61)
・明治神宮野球場:48本(12→30→48)
・京セラドーム大阪:48本(16→33→48)
・東京ドーム:47本(15→28→47)
・QVCマリンフィールド:47本(14→33→47)
・楽天koboスタジアム宮城:41本(12→29→41)
・札幌ドーム:40本(14→31→40)
・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島:37本(8→30→37)
・ナゴヤドーム:36本(13→25→36)
・阪神甲子園球場:31本(7→19→31)
・その他の地方球場:36本(4→19→36)

※6月30日現在。()内は4月→5月→6月の終了時点。
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 前半戦が終わって1番ホームラン数が多かったのは、昨季の日本一である福岡ソフトバンクの本拠地・ヤフオク!ドームだった。日本一に輝いたとはいえ、昨年の同球場で開催された67試合ではホームランが70本、1試合平均の本塁打数は1.04で、パ・リーグの本拠地6球場で最低となっていた。それが今年は前半戦だけで79本の昨年超えなのだが、その躍進には明確な理由がある。

 今まで日本一大きい球場と言われていたヤフオク!ドームは、球団の「試合をよりエキサイティングに」との思いから、既存の外野フェンスの前方に高さ4.2mのフェンスを新造し、外野フィールドには「ホームランテラス」と呼ばれるエリアを新設することで、左中間・右中間が最大5mほど短くなった。数字では、横浜スタジアム、神宮球場、東京ドームに次いで4番目に狭い球場となったのだ。

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●2015年度 プロ野球 ホーム球場の広さ(m)
【球場:両翼/中堅/左右中間】

・札幌ドーム:100/122/116
・楽天koboスタジアム宮城:100.1/122/116
・西武プリンスドーム:100/122/116
・東京ドーム:100/122/110
・明治神宮野球場:97.5/120/112.3
・QVCマリンフィールド:99.5/122/116.3
・横浜スタジアム:94/118/111.4
・ナゴヤドーム:100/122/116
・京セラドーム大阪:100/122/116
・阪神甲子園球場:95/118/118
・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島:101(左)100(右)/122/116
福岡ヤフオク!ドーム:100/122/110
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 孫正義オーナーの「本塁打を増やして、ファンにもっと楽しい野球を見せたい」という思いは実現し、球場を狭くしたことで観客席も増えたのはまさに一石二鳥である。王貞治ソフトバンクホークス会長も、報道陣に対し「ホームランはお客さんが一番喜ぶ。たくさん出てホークスが勝つのが一番」と話したことをスポーツ紙が報じている。球団もファンもうれしい変化となったのだ。

 2番目にホームランが多かった西武ドームも、昨年は69試合で119本であり、前半戦だけで67本の本塁打が出ているのは、中村剛也や森友哉の活躍によるところが大きいだろう。ホームランが打ちやすいと言われる東京ドーム、神宮球場、横浜スタジアムの3球場を本拠地に抱えるセ・リーグだが、6月30日終了時点ではパ・リーグに本塁打数で大きく引き離されているのが何とも皮肉な話だ。

 それにしても、ホームラン以外のチーム打率、防御率、得点、失点、盗塁のすべてにおいてリーグ最下位の阪神タイガースがセ・リーグ首位というから、プロ野球はおもしろいのである。ホームランの数も5位なのだが。

<取材・文/北村篤裕>




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