18kgのサーバを背負って歩く重労働、ビールの売り子さんの舞台裏に密着
球場で野球観戦しながら飲むビールというのは、なんと美味なことだろう。それが愛嬌たっぷりのかわいい売り子さんに注いでもらったビールであったのなら、なおのことだ。
東京ドームでは、アサヒ・キリン・サントリー・サッポロと、4社のビールメーカーの売り子さんがそれぞれのユニフォームを身にまとい、日々ビール販売に奮闘している。
重そうなビールサーバを背負いながらも、満面の笑顔で球場内を縦横無尽に売り歩く売り子さんたちの仕事模様について迫ってみた。
売り子さんの仕事は、試合開始の1時間半前には東京ドームにたどりつくことから始まる。おのおのの所属するメーカーのユニフォームに着替えたあとは、あわただしくバックヤードに集合だ。
決して広いとはいえないバックヤードでは、各メーカーによるブースにて仕事前の軽いミーティングや、仲間たちとしばしのくつろぎの時間を過ごしている模様。
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・アサヒ
車座となり仕事前のリラックスタイム。対戦カードによっては稼働人数も変動するとのこと。男性スタッフたちとわきあいあいとおしゃべりに興じていた。
・キリン
にこやかに談笑している姿は、さながら出番前のアイドルグループの楽屋のよう。キリンはビールのほかサワーも販売するため、それぞれの販売種類によってユニフォームの色が若干違う。
・サントリー
帽子の脇につけているお花のヘアアクセをおそろいにしている子たちもおり、それぞれの仲の良さがうかがえるなごやかな雰囲気。
・サッポロ
サワー類も販売しているサッポロでは、ユニフォームのデザインが分かれているようだ。談笑する子たちもいれば、マイペースにくつろいでいる子もいる様子。
そして、試合開始前になると突然慌ただしくなってくる。対戦カードにもよるが、試合開始前のおよそ40~50分前になると、それぞれの配置につくための準備にとりかかることになる。
ビールサーバは各社ごとに設けられている冷蔵庫より取り出され、売り子さんたちはそれぞれ担当のビールサーバを背負い、集合する。東京ドームでビールサーバの冷蔵庫があるのは1Fと4Fの2か所。つまり、ビールが切れれば売り子さんたちは補充のため、そのどちらかに戻らなくてはならないのだ。
ビールサーバはメーカーごとに若干の差はあるが、その重さは約18kg。およそ20杯前後のビールが入っているとのこと。これをうら若き乙女たちが背負って歩き回るのはかなりの重労働だ。
ナイターの場合、通常は試合開始の17:30より8回裏まで、もしくは遅くとも21:00までの販売時間となっている。ここから約3時間半、売り子さんたちの長い闘いが始まる。
重いビアサーバを背負い、球場内の急な階段を行き来する売り子さんの仕事。それでもこの若い娘さんたちは、買ってくれたお客さんの顔を覚え、ビールが切れる頃合いになれば観戦のジャマをすることなくタイミングよくビールを売りに来てくれる。そこにあるのは、はじけんばかりの笑顔だ。
「こんな重労働は大変でしょう」と言う記者に対し、彼女たちは「人と接することが大好きですから!」と口をそろえる。きっと、彼女たちのモチベーションは、我々お客さんたちとのコミュニケーションによって保たれているものなのかもしれない。
取材・文・撮影/櫻井れき
約18kgのビールサーバを背負って歩き回る重労働
仕事はたいへんだけど、お客様の喜ぶ顔が見られるから嬉しい!
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